笠女郎が大伴家持に寄せる歌(21)天地の 神の理 なくはこそ
天地の 神の理 なくはこそ 我が思ふ君に 逢わず死にせめ
(巻4-605)
天の神、地の神の御判断がないのなら、恋しい貴方に逢うことがなく、私は死んでしまうでしょうけれど。
この歌の真意は、
「神に間違った御判断などあるはずはないので、私の、これほど貴方を思う気持ちを必ずお認めになられている、だから、きっと貴方にお逢いできると信じています」
というものだと思う。
かつて、大伴家持との逢瀬を持ったこと、それも天地の神の御導きなのだから、思い続けていれば、必ず再びの逢瀬が叶うと信じきる。
何とも、一途な恋心と思う。
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