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石仏

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石仏について、書きます。
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#地蔵尊

石仏の話(27)よだれかけに般若心経

石の地蔵尊に般若心経が書かれた「よだれかけ」がかけられていた。 すでにボロボロとなっていたけれど、判別はできる。 さて、何を考えて般若心経をよだれかけに書いてまで、地蔵菩薩に願掛けをしたのか。 願いはかなったのだろうか。 般若心経の言わんとするところから考えれば、願をかけることそのものが、執着や煩悩だと言われそうな気がするけれど。 ただ、そんな人々のいい加減さを受け入れてしまうのが、御仏の世界なのかもしれない。 どんな形であれ、御仏に面し、一筋でも光明を感じること。 一筋で

石仏の話(26)くずれかけた地蔵尊

くずれかけた地蔵尊、長年の風雨に耐えてきたのだろうか。 それでも、「願掛け」の意をこめて、「よだれかけ」を首から下げ、新しい花が備えられている。 見た目がどんなであっても、御仏は御仏。 絢爛と輝きながらも秘仏とされて見ることができない仏と、実は何ら価値は変わらない。 それを感じるかどうかで、崩れ落ちた地蔵尊に手を合わせられるかどうかで、人間の器量も異なってくるのかもしれない。