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石仏

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石仏について、書きます。
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#保存

石仏の話(40)仏像の目的

国宝、重要文化財、秘仏となった仏像の場合は、ほぼ手を触れることなどはできない。 何よりも後世のことまで考えて、保存という使命が強くなっているため。 それに対して、道端に立つ石仏は、触りたい放題。 ただし、仏様としては、触れることができなくても、できても違いなど無い。 「他人のことも考えて、後世の人のことも考えて」少しでも良い状態で保存する目的であれば、ガラスケース等にいれるなどの厳重な管理を施して「国宝、重要文化財、秘仏」化するのは、致し方ないと思う。 問題となるのは、そ

石仏の話(4)文化財

本来、人々に拝まれるべき仏像が、文化財指定を受け、特別に造られた保存用の建物の中に収納される、あるいは人の息がかからないようにガラスケースに収納されることが多い。 文化財保護法により、単なる優れた彫刻として扱われ、人に見せることよりも、保存の方に重きがおかれる。 そうなると、信仰とは別次元の話が展開を始める。 そして入寺料の他にも拝観料を取る場合が多くなる。 保存にかかるコストを考えれば、ある程度は致し方ないかもしれない。 ただ、簡単には拝めない仏像は、少々冷たさを感じる。