グザヴィエ・ドラン監督⑥「胸騒ぎの恋人」
グザヴィエ・ドラン監督の作品はこれで最後。
デビュー作「マイ・マザー」の次作。2010年発表。これは「わたしはロランス」の雰囲気に近い作品だ。恋と友情、魅惑的な映像と音楽、ファッション!わたしの好きなタイプの映画の一つかな。とにかく楽しめる♡
ゲイの青年フランシスと親友の女友達マリーは、魅力的な美青年二コラに恋をしてしまう。不思議な三角関係。さて・・どうなるのか?
これはゲイの青年フランシス(グザヴィエ・ドラン)がゲイ故の悩みで悶々とする場面はあるものの、他の作品ほど悲壮感がない。恋で悩むのは親友のマリーも全く同じ。ゲイもストレートも区別なんかない。
(ゲイのお友達ほしいな・・なんて観ながら思った)
ふわふわブロンドの二コラを演じるのはニール・シュナイダー。「マイ・マザー」でゲイの恋人アントワン役で出演していた。
このニコラがまた悪いヤツで(笑)フランシスとマリー双方に「愛している」と囁き、思わせぶりな態度(すごく魅惑的でセクシーで、それでいて無邪気)をとる。なんていうか・・自分にすごく自信があって、すべての人は自分を愛すると思い込んでいる人。そのブロンドの巻き毛と容姿は太陽のようで、ダビデ像にイメージがダブる(ダビデ像が映像に使われている)
こんな二コラにあっという間に恋に落ちてしまうフランシスとマリー。親友同士なんだけど、嫉妬心に苛まれたりして・・。二コラの本心が分からず振り回されることになるのだ。
まあ、結局二人ともフラれることになるんだけど。(そもそも、二コラにはそんな気はなかった。)
このニコラの母親役はアンヌ・ドルヴァルで、ドラン監督作品の常連。
親友マリー役はモニカ・ショクリ。「わたしはロランス」でフレッドの妹を演じていた。
「胸騒ぎの恋人」での衣装が素晴らしくて、わたしとしては大変楽しめた。ビンテージのドレスがすご~いのだ💛オードリー・ヘップバーン風に髪を結いあげて・・・。山の中で枯れ葉を踏み散らす真っ赤なリザード型押しのハイヒールの美しさとか、総刺繍か織りか・・(多分プリントではない)コートとクラシックなアンブレラとか、もうたまりません!
(ドラン監督のフランシスも素敵だったけれどね。)
で・・・ラストが痛快なんだよね!
後味よいから、そういう意味でお勧めかも。
ああ~監督作品はもう終わりか。寂しいなぁ。主演作品があと数本残っているから、そのうち観たいとは思っているけど。
もう一回気が向けばまとめることがあるかもしれない。
今は、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の「エンドレス・ポエトリー」が観たくてたまらない。次の週末までダメかなぁ。