maihal

メディアで働く記者・編集者です。海とワインと本が好き。母さん業も。

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最近の記事

ふるさとは痛痒い。

みなさんは、 ご自身の故郷が好きですか。 私は、ずーっと嫌いでした。 嫌いというのが言い過ぎならば ずーっと逃げたいと思っていた。 あるいは 疎ましく思っていた。 私の育ったところは 雪国で 冬が死にたくなるほど寒く 家の中や車内は 頭が痛くなるほど 暖房が効いていて TSUTAYAやファミレスや パチンコ店が 国道沿いに並んでいる。 高校生が 遊ぶところといえば ファーストフード店にたまるか 市の中心部の繁華街に 数件ある中途半端な セレクトショップ。 (

    • 痩せたらすべてうまくいくシンドローム

      無限ダイエットの根底には 無条件に愛され守られ庇護される 少女のような存在で ありたい‥という回帰願望があるのでは。 という仮説をわたしは もっているのですが (前回https://note.mu/maimairomai/n/n29935740be94のつづき) この回帰願望を原動力に なんらかの努力でもって 身体を絞るという行為、 つまりダイエットは わりと簡単に数字という結果に 表れたりする。 なかなか思うようにいかない 現実のうち、 少なくとも体重部分だけは 思う

      • やせたいやせたい狂想曲‥

        人気女優やモデルを 肉眼でみると 「ここは小人の世界?」と 思うことがある。 いいえ、そこはテレビの世界。 画面でみると普通サイズと 思い込んでいた芸能人の多くは 細い!を通り越してもう 細工や体のつくりすべてが 0.7掛けみたいに「小さい」。 20代のころ、仕事で 彼女たちを見かけることがあると、 つくづく実感した。 「せめてあと3キロ痩せたら、 きっと‥」と これまでの人生で 思わない時なんて なかったけれど 3キロ痩せたところで 「テレビの世界体重」からは

        • もう若くない女でよかったと思う朝

          女で、しかも若くなくて よかったと思うことはありますか? 朝の満員の通勤電車で、 人々がひしめきあいながら スマホにかじりついたり ヘッドホンを 耳に深く差し込んだりして 時をやり過ごしているとき。 目の前の20代前半くらいの 黒縁メガネの ちょい太めな女の子の 様子がおかしくなった。 「気持ち悪い!気持ち悪い!」と いいながら 目を閉じてぐらぐらし出し、 呼吸が苦しそう。 あまりの人口密度で ただでさえ酸素が薄い。 そこに連日の暑さ。 具合が急激に悪くなったようだ。

        ふるさとは痛痒い。

          ごめんねのひと。

          そのお母さんは、 いつも目を合わそうとせず どこか不機嫌だった。 むくむくした小熊みたいな ちいさな男の子と、 おませなくせに甘えん坊の お姉ちゃんのきょうだいがいて このふたりはのびのびと 子供らしく活発だ。 なのに、そのお母さんは 笑顔をちらりとも見せず うつむき加減。 挨拶をしても 素通りされたりして、 こちらも怪訝に感じていた。 子ども同士が同じ園というだけで クラスも違うし なにか期待しても仕方ない。 気の合うひととは話もするし たまに子供を遊ばせる。 そう

          ごめんねのひと。

          モテ、の正体

          これまでの人生で出会った中で、 一番モテるひとは けっこうなろくでなしだった。 語学に堪能で 楽器もできて(これ重要) 男女問わず友達が世界各地にたくさんいて 今となっては趣味の延長を仕事にし 一年の大半は海外を拠点にして 活躍している。 そしてすこぶるフレンドリー。 石でも友達にできるくらいフレンドリーで ホスピタリティーにあふれ どんな不美人でも 愛想なしでもネクラでも 女性とみれば プリンセスみたいに扱った。 男には「おれたち悪友な」と肩を抱き、 いきのいい仲

          モテ、の正体

          酒井順子「子の無い人生」対談がすごい。

          「 負け犬の遠吠え」(講談社) を読んだときから 酒井順子のファンだ。 私はたまたま子供を 産む人生になったけれど メンタリティとかキャラとしては 仕事に没頭して子供なし みたいな人生を歩むことも 十分にあり得た気がする。 その酒井順子氏が 「子の無い人生」(角川書店) の上梓にあたり 首相夫人の安倍昭恵氏と対談している。 テーマはもちろん、 子供のいない人生について。 http://store.kadokawa.co.jp/shop/pages/interview_

          酒井順子「子の無い人生」対談がすごい。

          トーキョーで子連れにブチ切れるひとの理由。

          子連れで海外旅行をすると 周囲の親切さや笑顔に 衝撃を受ける‥と、よく聞く。 「それに比べて日本の子連れへの プレッシャーときたら。 ベビーカー論争ってなんなの?」 という話に帰着するわけだが、 実際のところどうなんだろう。 わたしはまだ、子連れで 海外をやったことがないので そこのところ、 実感が湧かない。 ただ、山の手線で はしゃぐ息子の靴が おっさんの脚に当たって キレられたことはあるし、 バスの降車口にて ベビーカーでモタモタする 親子に舌打ちする年配のお

          トーキョーで子連れにブチ切れるひとの理由。

          結婚しましたという免罪符。

          30代後半を迎えてここ数年は 出産ラッシュと、 第二の結婚ラッシュが続き、 女友達の人生周りが 慌ただしい。 (男友達のそれはもっと早かった) わたしが幼少期を過ごした 昭和終わりから平成初期の時分は 30代後半なんて 乳幼児子育てはひと段落している 「すっかり落ち着いたお母さん」 ばかりだった。 こんな世の中になるとは 子供の頃には 思ってもいなかったが、 わたしもいまだに 乳幼児を育てているし 二人目以降ラッシュは まさにいまが盛況だし 少子高齢社会の東京暮らしは こ

          結婚しましたという免罪符。

          若さを手放してからの女の武器

          女の価値と若さが 連動させられ過ぎなことに げんなりしたことのない 成人女性はいないはずだ。 とくに日本は 「女は若いほどいい」みたいなことを 大っぴらに言っても 咎められないような 風潮がある。 わたしも何度、その手の発言を 浴びせかけられて ムカッとイラッとしたことか。 25歳の誕生日に 「お前ももう25か。若いとは いえなくなったな」と 他社の先輩にいわれたり 「支社を廻って本社にいくころは あなた何歳?30過ぎてるよね。 おばさんだねえ」と 同じ会社のやはり先輩男

          若さを手放してからの女の武器

          しごとまわり日記/殺伐明太子スパ

          2016年4月27日水曜日 わたしの心のメンターである社内のAさんとランチへ。会社近くのビル地下で、定期的に食べたくなる明太子の生パスタ。 このお店はわりと昔から行くけれど、やたらデフォルトサービスが増えた。デザートついたりパンとスープ、飲み物、大盛り、温泉玉子から二つ選べたり。 一見、サービス良くなったようにみえて、その実、サービスは悪くなっている。店員さんの余裕がまったくない。せっかくのサービス品を催促受けるまで忘れていたり、お皿の置き方とか荒々しかったり、なにか殺

          しごとまわり日記/殺伐明太子スパ

          スピリチュアルにはまる彼女にモヤモヤする理由。

          離れたところに住んでいますが 身近な女性が 3年ほど前から スピリチュアルワールドにどっぷり つかっています。 ただ好きではまっているに とどまらず、 彼女は仕事として関わるようになって するとどんどんどんどん、 それがFacebookやブログで 流れてきて、 目にするたびにわたしは しばらくモヤモヤしてしまいます。 彼女はもともと賢く 暖かく、親切なひと。 ただ、スピリチュアルがらみと前後して 離婚や再婚や別離や 人生の大改変があり、 小さな子供たちを巻き込んだことも

          スピリチュアルにはまる彼女にモヤモヤする理由。

          しごとまわり日記/明け方の罪悪感。

          2016年4月16日土曜日 午前2時過ぎ、帰ってきた夫に 残り物のトマトソースを温め パスタをつくる。 レッドオニオンと白髪ネギとツナを 胡麻油と酢と醤油で和えて 冷や奴に乗せた簡単サラダも。 熊本の地震報道を 深夜のリビングで一緒に観る。 余震と本震が交互に来て 当初思っていたより もっとひどいことになっている。 夫の仕事も佳境でいますぐに 持ち場に戻りたそう。 こういうときアドレナリンが 出っ放しになっているのが 隣の業界だからよく分かる。 大きな事件や災害がある

          しごとまわり日記/明け方の罪悪感。

          スーツの女性に惹かれるのは。

          就職活動中の学生が集まる、 とある大企業の就職セミナー でのこと。 会場にあふれんばかりの リクルートスーツの学生の 中で目を引いたのが ブースでプレゼンしている 現役社員の女性でした。 30代前半でしょうか。 堅い金融業界だったのですが、 業界の装いコードにのっとった 紺の膝丈タイトスカートに 白と紺のジャケット、 きちんとまとめた髪。 甘みを極力抑えた ファッションながら、 語り口も滑らかで 颯爽としています。 20代の頃は ビジネスシーンにおいて 灰色や紺のスー

          スーツの女性に惹かれるのは。

          いいひとでいる方がラクだけど

          ネット界隈では マスゴミ‥と呼ばれてしまう ような仕事をしていて、 「なんでそんな言い方を されるんだろう‥」 などとはまったく思いません。 事件や事故、不祥事、災害が 仕事、つまり飯のタネになるなんて 蛇蝎のごとく嫌われて 当たり前だと我ながら思う。 ヒーローのように たてまつった人が ほころびを見せた途端に 血祭りにあげるようなことを マスメディアはやるんですよ。 もちろん記者も人間なので できれば取材相手に 喜ばれたいのは当然です。 たとえ、事件被害者や その

          いいひとでいる方がラクだけど

          ぐっとくる女。

          保育園に子供を通わせていて 興味深いことのひとつが 親たちの観察です。 などと書くと、 あけすけないのですが とくに親しくもないひとの 夫婦関係や、 親子関係をこんなに頻繁に しかも間近でみる機会って そんなになくて、 わたしには面白くてたまらないのです。 幼稚園などと違って 行事もそんなにないし、 とにかく共働き家庭の お母さんもお父さんもやたら忙しい。 なので、 やれ誰とランチしたとか 誰のお誕生会に呼ばれたとか そんな優雅と面倒の 紙一重のような付き合いに 気を揉

          ぐっとくる女。