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東京の風景を変えた!2024年、はじめての東京建築祭【まいまい京都のめざすもの⑨】

東京建築祭が、2024年5月25日〜26日に開催された。東京ではじめての大規模な建築公開イベントだ。建築祭パンフレットを持つ人たちがあふれ、各建築には長蛇の列ができた。街の風景を一変させた東京建築祭の様子をレポートしたい。

想定以上の注目度が街をおおう

初日の朝8時、東京建築祭のwebサイトが落ちた。アクセスが殺到している。日本橋の貸し会議室に事務局メンバーが集い、対応に追われている。注目度の高さを痛いほど感じる。日本橋や銀座、築地など、各エリアに散らばったスタッフから悲鳴のような連絡が入る。「すでに100名近く並ばれています」「1日分のパンフレットが、公開開始前になくなりました」。

各地の混雑状況を把握する。どの建築も、想像をはるかに上回る人出だ。パンフレットも、かなりの部数を刷ったが、この5倍、10倍の数があっても足りなかっただろう。
急遽、東京ステーションホテルの応援にむかう。そこは長蛇の列だった。30分待ち、1時間待ち……。参加者たちは、建築の細部や解説を食い入るように見ている。参加者たちの熱意が伝わってくる。

昼すぎ、参加者の熱気を反映したかのように快晴となった。日本橋の三井本館に移動すると、そこも街路樹に沿って長蛇の列が伸びていた。その列は、全体像が見渡せないほどだ。三井本館のすぐとなりは、日本橋三越。買い物に来た人たちが、500名近い大行列を見て驚いている。街ゆく人たちから、いったいこれは何の行列なのか幾度も質問される。そのあいだも人は増え続ける。
1時間待ちであることを心苦しく案内すると、仙台から来られたという女性はこんな返答をくれた。「建築好きの仲間が、こんなにいるんだとわかって万々歳です」。

建築に興味をもつ人がこれほどいたとは

そうなのだ。この日、建築に興味のある人たちがこれほどまでに多いということが、東京の街で大々的に示されたのである。

日本橋・京橋、大手町・丸の内・有楽町、銀座・築地、その他。東京建築祭の公開建築があったり、特別ツアーが開催されたりしたエリアには、レモン色の建築祭パンフレットを持つ人たちでいっぱいだった。東京の風景を変えるほどのインパクト。建築業界関係者にも大きな衝撃を与えたようだ。

2日間合計で、来場者数は約6万5000人。京都モダン建築祭や神戸モダン建築祭など建築イベントの入場数記録を大きく塗り替えることになった。東京の街が、建築祭一色に。X(旧Twitter)でも「東京建築祭」がトレンド入りした。

建築に興味をもつ人が段違いに多いと可視化されたいま、5年後、10年後の建築祭を見据えて、これまでとはまったく違う次元で建築祭をとらえていかないといけない。考えることは山積みだ。2024年、はじめての東京建築祭が終わったが、ここからなにかすごいことが始まる予感がしている。

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