アドラー心理学と「しつけ」について
子育ては親の仕事、ちゃんと「しつけ」なければ!!
と口うるさく言ったり、ガミガミと怒ってしまう一生懸命な親御さん。
一方で、子どもの主体性を尊重しなくてはならない!!
とルールやマナーを守らない子どもにも何も言わない親御さん。
どちらも不安げでシンドイ表情です。
我が子を授かった瞬間に親となり、「子育て」とは何なのか、
どうしたらいいのかわからぬままに答えを求めて
社会に氾濫する様々な情報を頼りに実践しては、なんだかうまくいかない…と感じている方も多いでしょう。
私自身も、思い通りにならない子育てに悩む日々でした。
(アドラー心理学に出会って、思い通りにならなくていい、相互尊重が大切なんだと気付きました。)
それでも、日常に散らばる小さな幸せになんとか勇気をもらって
「よし、頑張ろう!」と子育てに奮闘するお母さんたち。
しかし、我が子が
「おやつばかりでご飯をちゃんと食べない」
「癇癪ばかりで言うことを聞かない」
「学校に行かずゲームばかりしている」
といった状況が毎日のように続くと、どんな親でも「こんなに頑張っているのに!」とイライラしたり落ち込むことが多くなりますね。
がんばっても上手くいかない…そんな時、
つい我が子に辛くあたって後悔したり
自分の親から受けた辛い仕打ちを思い出して苦しくなったり
社会の在り方、学校や園への不満にいっぱいになったり
と、人のせいにしたり言い訳や誤魔化しをしながら何とか日々をやり過ごす…ということはありませんか?
私は、そんな辛そうな親子に何人も出会ってきました。
ほんの少し視点が変われば解決できること、
ほんの少し俯瞰して状況が見れたら笑って済ませられること、
ほんの少し人に頼れたり共感してもらえたら優しくなれること、
そう頭ではわかっていても、渦中はどうしようもないんですよね…。
そして、そんな親子は特別な方たちではありません。
少し歯車がズレるだけで誰もがそういう状況になる可能性を持っている、と感じます。
「我が子がまさか…」と涙する、優しく繊細な親御さんたち。
それが、良かれと思って頑張った「口うるさいしつけ」や
主体性を尊重しようとした「放任」の結果である場合があります。
可愛さのあまり、困らないように、傷つかないようにと過保護にケアをしたり、子どもの言いなりになったりすることで引き起こすこともあります。
また、「褒める子育て」も注意が必要です。良かれと信じて「褒める」ことで、人の評価を気にする、他人軸で考えるようになったり競争原理が入って、褒められない自分はダメだと感じてしまうことがあるからです。
「褒める」ことで「自己肯定感」と最も遠い感覚を身につけてしまうというのは衝撃的な事実ですよね。
ではどうしたらいいのか。
アドラー心理学では『勇気づけ』で育てましょう、と言っています。
褒めずに「認める」
結果ではなく過程に「関心を持つ」
その子自身の「思いを聴く」
そんなベースに共同体感覚が在る関りが、『勇気づけ』になります。
「しつけ」は他者と気持ちよく過ごせるよう考えるチカラをつけること、
この世の中の既にあるルールを根気よく伝えること、と理解し
怒ったり批判したりせずに、失敗を伴いながらも様々な経験をもって
「判断していくチカラ」を親子で共に身につけていく作業。
そう考えると、まさに「しつけ」は『勇気づけ』であるともいえます。
親も子も、お互いを尊重し、それぞれが自分の人生を幸せに生きる…
そんな親子関係を目指していきたいですね。
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