うたかた/サンクチュアリ

「長い目で見ろよ。大丈夫だよ。そんなこと言ってたら俺たちはまだ若くて、いろんなことがある、これから。いいか、本当にお互い気に入ってるってことはな。」
「うまくいっちゃうもんなんだよ、きっと。無理とかしなくても。だめなもんはなにしてもだめになるし、うまくいくものはどうやっても、うまくいくよ。また帰ってくるし、帰ってきた時におまえに男ができてても、怒らないよ。そのかわり、奪い返そうとするかもしれないけど。」
つまり、彼はここにとどまるほどには心を決めてない、まだ私をそれほどには本気で好きなわけではないんだ。というのが、事実としてわかった。がっかりした。

ーーさゆりの目を通して出会う嵐は、私の初めて見る嵐で、瞬間私はまた彼に恋をする。失望も欲望も、あらゆる角度から彼をくり返し発見して、くり返し恋をする。そして、こういう恋はもう後戻りできないことを、くり返し知る。

ひっさしぶりにこういう綺麗な恋愛小説を読んだ感じがする。自分はやっぱり全身全霊を捧げるような恋愛小説がだいすきなんだー。

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