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【エッセイ】母なる海

島育ち。
なのでいつもそばにがあった。

瀬戸内海の穏やかな海。
そこが遊び場。


しかし私は泳げない。
正しくは泳げるけど泳がない



それには理由がある。




小学5年生の夏休みのある日。
クラスの女子数人で海水浴に行った。



遊泳区域の網の中で泳いでいると
ある1人の子が
『沖のブイまで競争しよう!』と言い出した。


その頃の私は身体が強くなかったこともあり
体力や持久力が人並み以下だった。


なのに強制レース参加
でも置いていかれるのが嫌で必死に泳いだ。



ふと『疲れた。。』


と、思った瞬間
腕だけ残して海の中へ吸い込まれた


その一瞬


たまたま近くに浮き輪で浮いてた
レース参加してなかった子が
腕を引っ張り引き上げてくれた。



その間、コンマ数秒

怖い、とも苦しい、とも感じないほど
本当に一瞬。


急死に一生。とは正にこのこと。
(のちに何度も死にかけているが、、それはまた別のお話、、)



あれ以来、私は泳がない



しかしながら、島育ちの海育ち。
海が嫌いになったわけではなく
むしろ今も大好きな場所。
見るのも入るのも。


私にとって海は母なる場所


あの出来事は
【海を甘く見るなよ】という
母なる海からの警告だったのかもしれない。


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