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自分というひと11

「もう、無理に頑張らなくてもいいんじゃない?」

仕事の復帰の話をした時、サラッと友人に言われた。

私は今33才だ。もう子供がいたって結婚していたっていい歳なのだ。あんまり、「無理に頑張らない」ということを考えたことがなかったから、おそらくそうって事ないかも知れないけどすごく何というか、驚いた。無理に頑張らないというのは、つまりは頑張るとしてもそれだけに一生懸命にならないとか、仕事中心の生活にしないとか、そういう意味だと思う。

仕事を休む前は、人生設計みたいなのを立てていた。商品開発を何年やって、結婚して、子供が産まれて、もしできなくてもこういう仕事をして、こういう生活をしてって。その記憶が今回休んだことによって全部かっ去られてしまったかのように忘れてしまっていた。

おそらく、周りの人に「今のことだけを考えればいい」「よくなることだけを目標にすればいい」と言われ続けていたからだと思う。そのお陰で、過去のどの時間より(幼少期は別として)自分のことだけを考えることができたのもある。

じゃあ、戻ろうかとなった時、私はいまの会社で同じ部署には戻るには時期が早過ぎて異動願いを出している。今までの部署が私が一番やりたかったことでそれ以外にはないから、結果ここでやりたいことがなくなってしまった。でも戻れるところがあるというのはありがたいことだ。異動願いも叶いそうで、本当に良くしてくれる環境に感謝している。

私は仕事が好きだ。人と関わって社会の中で小さなことでも誰かの何かにつながることは誇りだと思う。自分自身も新しいことにチャレンジして変わり続けたいと思っているから、リニューアルした私がどんなことができるか新しい環境で新しい会社でどんなことができるかと少しワクワクしたりもしている。つまり、転職だ。

いくつかあるこれからの人生の選択肢の中で、目下の目標(体調をよくする)を叶えつつある私は、今一度将来のヴィジョンを見直さなければならない。環境が変わってしまったのだから。復帰までの1〜2ヶ月、「本当に自分が何を求めているのか」「そのためにはどうすればいいのか」を考える。

でも、もう「私は」仕事だけを詰め込む必要はないと気づいた。

休んでからすぐ彼のうちに越してきた。

それまでは、会社まで電車で徒歩含み30分以内のマンション。ベッドとテーブルとテレビと本しかない。可愛らしい雑貨や趣味のもの、花も飾らず料理もしないから買った当時は好きな料理を楽しもうと大きな冷蔵庫を買ったのに中はすっからかん。システムキッチンもほぼ使用せず。殺伐とした家だった。24時間のスーパーやコンビニ、飲み屋が沢山あり、仕事をするための寮のようだった。

今は、毎日日めくりカレンダーをめくり、花の水をかえて朝食の準備をする。早く起きた時は読書をする。冷蔵庫は作り置きのストックや水出しのお茶やコーヒーが並び、安売りで買った苺をマリネしたものが入っている。散歩もできる。季節を感じる。2人で笑ってご飯を食べている。お風呂は湯船に浸かっている。

全く以前とは違う暮らし。穏やかな心。

ターニングポイントなのかも知れない。

どう動いていくかはまだ決め切れていないけれど。

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