自分というひと5

いつもはワクワクさせる春の陽射しが今は私をイライラさせる。

優しく包み込むような日だまりと空気が、今は進む道に霧がかかったモヤに変わっている。

なのに、皮肉にも桜は満開で、マンションの前を流れる東京湾につながる川の水面は太陽に反射してキラキラして余計にわたしの眼を眩ませるのだ。

気持ちの良いはずの春がこんな風に感じているのは、復職の時期が延長になったからだ。

体調が良く、春の復帰に意欲漫々だったわたしは先生の「あと3ヶ月。焦らずにいきましょう。順調ですから、今がむしろ大事です。」という言葉で急にまた、見えてきた道に一気に霧がかかった気持ちになった。

いまの私のどこがダメでその診断なんだ・・・と、「まあ、(休んで)まだ半年ですから、休める期間があるのなら完璧に治しましょう。これからもありますし、若いんですからね。」というなぐさめの言葉らしきものが遠くに聞こえるが、耳には入ってきて通り過ぎて行く音でしかない。なんの意味も無い言葉となってしまった。

あと3ヶ月、また与えられてしまった自分と向き合う時間。自由ってとても疲れるし、考えてしまう。

取りあえず、ヨガで身体と心を整えよう。多くのものを見て大事な人に会おう。そしてもう1回真剣に自分のこれからを見て行くしかない。たぶん、気づくと思う。良くなると、あ、大丈夫だ私って。そしてその時は目指す先が見えるはず。

意外と根深いのね、こころの病気は。



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