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「ナタリーってこうなってたのか」

大山卓也さんが私は大好きだ。

会ったこともないのに大好きだなんていうのもなんだけど、ナタリーの元代表取締役の大山卓也さんだ。

ナタリーは皆さんご存知だろうか。ツイッターを用いた日本最大級のポップカルチャーのニュースサイトナタリー。タイムリーに最新の情報がツイッターで流れる。

そのサイトができるまでと哲学とメディア論が詰まった1冊がある。

私はこれを読んで大山さんの大ファンになってしまった。

ナタリーを愛している人には他のサイトとの違いがわかっている。それは情報の正確さ・速さ・多さ・平等さ。絶対に他のサイトからのコピーアンドペーストなんてしない正確な自分たちの調べて確認した情報のみを載せる。「全部やる」そうやって時間のかかることもコツコツやってきた。そして情報が気持ち悪いくらいにタイムリーに流れる。1日に何本も。情報のジャンルも偏らず、ファンが少ないであろうことも多いであろうことも平等に淡々と感情なく情報だけを流す報道。「批評はしない」。逆に、インタビューなどの特集記事はファン目線である熱意を感じる。ファンだから知りたい!そんなことをちゃんと聞いてくれる。

大山さんはそんなサイトが欲しかったそうだ。そして自分を救ってくれたカルチャーに恩返しをしたいと言っていた。だから儲けや効率よりもカルチャー愛を大事にずっとコツコツやってきた。

ネットで繋がり、津田大介さんとナタリーを立ち上げた大山さん。更に、右腕になる唐木さんともネットで出会っている。

大山さんは感覚が天才的で、引き寄せる運も良く、心も純粋な少年のように感じる。何回かくじけそうになるシーンが本書に出てくるが、でも諦めない。運が回り、人が集まり、流れに乗り、気持ちが多くの人の共感を呼ぶんじゃないかと思う。

私はナタリーの音楽と演劇と映画をフォローしているが、そのおかげで久しぶりに「大森靖子」という個性のあるアーティストに出会えた。そこでナタリーありがとう!ってリツイートをしたら大山さんが、いいね!をしてくれて私は鼻血が出そうだった。乗っけて唐木さんもしてくれた。ツイッターすげえ!って色んな意味で思った瞬間だった。

その後、ナタリーことナターシャはKDDIに買収された。でも大山さんは大手企業に認められたと喜んでいた。自分のやってきたことが間違いではなかったと。

昨年、本屋さんでトークショーがあるとの噂を聞きつけチケットを買ったものの仕事の残業で行けずにその顔を拝むことができなかったのが一生の後悔である。会いたかった・・・・

何かを成し遂げた人、成功した人は簡単になったわけじゃない。いつだって、どん底まではなくとも、失敗したり、ダメな時期がある。そんな苦労を乗り越えた人には「成功する、自分を信じるという覚悟」が一貫してある。覚悟。

人生は好きと勇気と覚悟でできている、そんな風に感じる。

どうか、大山さんにどこかでお会いできますように・・・。



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