覚え書き
幼いころの通学時に乗っていたバスの外の風景や窓から入る日差し。
いつもの運転手さん。
思い出せることは限られてきてしまっているけれど、ふとした瞬間に蘇る記憶。
あの頃は、気づかなかった幸せが今だと見える。
愛情を注いでくれる両親がいて、仲の良い姉がいて、大好きなおじいちゃんとおばあちゃんがいる「お家」。
空気の澄んだ自然に囲まれて、意識せずとも四季を感じ、今では当たり前の不便なことを尊く思う。
「迎えにきて下さい」とかける電話の声と、親が迎えにきてくれた車を見つけた時の安堵感。
自転車を押して話しながらいつもより長い時間をかけて帰るあの道。
1キロ先のタバコ屋さんにお菓子を買いに行く。
お父さんに「帰りにアイス買ってきてね」とわざわざ電話する習慣。
当たり前だったけれど、気づいたら日々は過ぎ
建物や自然や人も皆んな歳を重ね、あの頃は永遠に戻らない。
だからこそ毎日は愛おしい。
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