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「僕たちは世界を変えることができない」

「僕たちは世界を変えることができない」

2011年に向井理が主演したドキュメンタリータッチで描かれた実話を元にした映画だ。大学生が、ボランティアでカンボジアに小学校を建てるに当たって、その国の時代背景や日本の国との現状の比較、やろうとしていることの意味を問うようなストーリー。

私が初めて、ひとりでも映画館で観たいと思って足を運んだ作品だ。

ストーリーは最初に公開され、明るい笑顔の大学生のジャケットなのになぜそんな否定的なタイトルなんだと思った。

内容はネタバレになるのでできるだけ省略するけど、別に同じことをしているわけでもないし同じ環境でもない私を元気にしてくれた。だから何回も何回も観ている。

前のnoteにも「偽善者」と書いたけど、人ひとりが何かしたところで大きな大きな世界は微動打にもしない。1円の寄付で何が変わる。映画ではさらに、なんでカンボジアなの?なんで小学校なの?とふと気づく。学校1つ建てたところで何も変わらないと大学生たちは議論する、辞める人もいる、意味が見出せない人もいる、偽善者だという人もいる。

私はその時、料理を仕事にしていた。私がやらなくても沢山うまい人はいて、なんのために「私が」作るんだろうと。いろんなことに対して意味を見出そうとしていた歳だった気がする。

映画を観て思った。誰かひとりでもいい。喜んでくれたら。自分の力は小さいけど、仕事以外に関しても偽善者なんて言われるかもしれないけど、本当にやりたいと自分で思うならやればいい。どう言われても、相手にはちゃんと届く。それだけでいい気がする。皆に認められて、皆に納得されなくても、ひとりでも受け止めて必要としてくれたらそれはやっている意味があるんじゃないかと思った。

そしたら、肩の荷がおりた。

意味ばかりを探していた、カチコチ頭の私とはさよならできた。

そして、当たり前は当たり前じゃない。どんな仕事も大事な仕事。誰かの仕事も誰かの為になっている。日本は豊かな国。沢山の幸せをまた見つけられるきっかけになるそんなたくさんの大事が詰まった映画。


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