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娘の絵本


#シロクマ文芸部

「月の耳が出来たよ~」
「やったー!たべる、たべる!」
「焼きたてだから気を付けてね~」
「うん!いただきま~す」
私の趣味はパン作り。
時間がある時はだいたいパンを作っている。私が好きなのもあるが私以上に娘の
結菜(ゆな・5歳)がパンが大好きだから。
特に"月の耳"のパンが大好きなのだ。
月と言うのは、結菜が好きな絵本のウサギの『月っこちゃん』のこと。
その月っこちゃんそっくりに作り結菜に食べてもらっている。
もちろん、顔もあるんだけれど結菜が耳が大好きだから『月っこちゃんのパン』からいつからか『月の耳のパン』になった。
 今まで絵本を読んでも全然興味が無かった結菜が、月っこちゃんの絵本を見た時は目をキラキラさせて聞いていた。
それから毎日、寝る前に読むのが日課になっている。最近は他の絵本も興味が出てきているけれど、やはり月っこちゃんが一番みたい。私も小さい頃はお気に入りの絵本があって嬉しかったし私の母も笑顔だったな~。
あの頃の結菜の気持ちと母の気持ちが一緒に分かる瞬間だと最近しみじみ思う。
「おかあさん、つきのみみおいしいよ~」
「そう?ありがとうございます!」
「おかあさん、きょうもねるときにつきっこちゃんよんでね~」
「いいよ。結菜はほんとに月っこちゃん大好きだね~」
「うん!大好き!」

こんな笑顔をされたら断れない。
私は今日も娘のために絵本を手に取る。
娘が眠るまで。


お休みなさい。
  



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