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【最終回】息子10歳現在の日本語学習

この文章を書いている2022年現在、息子が10歳になりました!
 
感無量! 生まれてきてくれてありがとう!
…という感謝の気持ちはもちろんですが

私も10年よく頑張った!
…という自分を労う気持ちのほうが大きかったかも?

一人っ子でもこうなのですから、
二人以上子育てなさっている方には頭が上がりません…

オーストラリアでは18歳から何もかも成人扱いになるので、我が家の子育てはすでに半分以上終わったことになります。

そう思うとあっという間ですね…

この回は記憶も新しいので、かなり長くなってしまいましたが、ご容赦ください。



日本語能力試験N3(中級レベル)に父子で合格!

去年日本の学校に半年通ったおかげで、さらに日本語能力がアップした息子。
現在の日本語レベルについて、具体的に数値化するのは難しいですが、日常的に使う語彙や表現なら聞いても読んでも「文脈からほぼ理解、推測する」ことはできると感じます。

私が大人相手に教えている日本語能力試験の本(N3,中級レベル)を手に取って「漢字の問題簡単だな~」とつぶやいていたので、もう一つ上のN2(中上級レベル)の漢字問題も読ませたらほぼ正解できました。

N3(中級)は漢字600字、語彙数は3000個が目安です。 日常生活の中でも身近な話題の文章を読むことができます。小学4年生まで漢字640字を学習しますから、目安としては同じぐらいのレベルでしょうか。

N2(中上級)必要な漢字数は1000字、語彙数は6000語です。日本の小学校6年間で習う漢字は1,026字なので、ほぼ同等の努力が必要になります。日常会話+ビジネス場面での日本語が必要になるレベルで、日本の会社に就職する際に有利になります。

でも問題は4択でマークシート方式なので、書く問題が多く、書き順まで求められる漢字検定よりは簡単です。
語彙と漢字、聴解、読解問題で構成されており、スピーキングやライティングの試験はありません。
日本語能力試験サンプルテストのリンクはこちら↓
https://www.jlpt.jp/samples/forlearners.html

日本語能力試験は、実際に日本で生きていくために必要な日本語にフォーカスしているので、普段よく使う表現が試験問題として出てきます。

国語の教科書の表現では行間を深読みしないといけなかったり、かなりの長文を理解する高い読解力が求められますが、まだそのレベルに抵抗がある場合は、日本語能力試験の読解問題は実践的で役に立つのでお勧めです。

夫は10年以上前にN3を受けてギリギリ合格しましたが、最近は真剣に勉強しなくなりました。

ところが「日本語能力試験また受けようかな…」と言い出し、息子も「僕も受けたい!」とのことで今年12月のN3の試験に申し込みました!

息子は「とにかくパパよりいい点数を取りたい!」と一生懸命メモをとりながら勉強しています。ライバルがいると燃えるタイプとわかったので、夫はそのいい役割を果たしてくれています…笑

かなり真剣に日本語能力試験の勉強に取り組む息子

このように、漫画やアニメで動機づけをしているせいか、少し高度な内容の日本語にも自分から積極的に取り組んでくれています。

息子の英語力について

告白します。

先生との面談にて「語彙力と文法力が平均よりも低めで、作文させると時々意味がわからないので、今サポートに入っている。」と言われてしまいました…

シドニーに引っ越してすぐコロナでロックダウンになって以来、英語力に少しずつ遅れが出ていることに気づいていました。オンライン上で先生やクラスメートの顔もほとんど見られない状況で、プリントだけこなすような学習方法は息子に合っておらず学習意欲を失ってしまったんですね。嫌々引っ越してきてお友達と離れ離れになったのも一因だったと思います。

私も息子の横にべったりくっついて勉強させるのもストレスでしたし、お互いピリピリせず楽しく過ごすことを優先した結果、いっしょにアニメやマンガに触れる時間が増え、日本語学校に行かずとも日本語力が飛躍的に伸びましたが、その反面、英語学習を疎かにしてしまったのは否定しません。

翌年、日本へ半年も帰ることになってしまったので、完全に忘れないように学校のワークブックは持参し毎週末数ページはやるようにしましたが、日本の学校の宿題も多かったですし、あまり口を出さないことにしていました。

でも焦ってはいません。先生も「日本語話せて読み書きもできるなんて羨ましい!ぜひ続けて!」と言ってくれましたし、毎日学校であったことや学んだことを日本語で私に説明してくれるので理解はしています。

実はこのように環境の変化で語学力がアップダウンするのは自然なことなんですね。ここで親が「セミリンガル…ダブルリミテッドになるかも…」と不必要に不安になりすぎないことが大切だと思います。
親の不安は子供に伝染してしまい、自信喪失につながる可能性があるので。

私が日本語を教えている中華系の生徒さんや、最近出会ったご両親が日本人という日系二世の方も「小学校高学年からちょっと英語が難しく感じてESL(英語を外国語として学ぶ)クラスに入れられたりしたけど、中国語/日本語のほうが後から勉強しなおすのは困難。英語は高校生あたりから真剣に学校の勉強するようになったら絶対に追いつけるから大丈夫。」と言ってもらえました。そして、この日系二世の方も日本語学校には通わず、アニメと漫画で日本語を鍛えたとのことでした。
 

勉強を見てあげるときに心がけていること

それでも、現地校の勉強についていけなくなっては本人が困るよなぁと思い、塾に通わせるかチューターをつけるか検討しましたが…

本人が「塾に行くよりママから習いたい」とのこと。

負けず嫌いなところがあるので、塾に行ったほうが伸びるかもな~とは感じていますが、私も一応TESOL(英語教授)の資格もあるので、息子の文法ミスなどはある程度チェックできますし、何よりお金もかかるので、できる範囲で私が見てあげることにしています。

まず学校の宿題の出来をチェックし弱点を見極め、英語のワークブックを何冊か買いました。「タブレットを触る前に数ページやろうね」というルールを決めました。

Kumonの内容はちょっと簡単すぎました…左のワークブックは基本のおさらいに◎
右のワークブックは少し上級レベル向けでしたが、何とか少しずつこなしています。

私がフルタイムで働いていたときはあまり見てあげられなかったのですが、すでに習慣化に成功し、本人も「勉強してからじゃないとゲームするのは気持ち悪い」らしいです。

このとき、息子の隣にくっついて指導する、ということはしません。私はキッチンやリビングで家事をやったり、自分の部屋で仕事したり。息子はダイニングテーブルで問題を解いてわからなければ聞いてきます。私がストレスを感じすぎず、依存させたり勉強嫌いにさせないためにも、この適度な距離感は大事だと考えています。

「〇〇ってどういう意味?」と聞いてきても、「一旦辞書引いてみな~」と自分で解決しようとさせてみますが、それでもわからない場合、疲れていそうなときは一緒に考えたり調べたりします。4年生ともなると私も知らない語彙が結構出てくるのでお互いに勉強になります。
 
絶対に言わないようにしている言葉は
「どうしてこんなのもわからないの?」
「さっき言ったでしょ?」
などの否定の言葉。

途端にやる気をなくします。

 
くりかえしになりますが、前回より進歩した部分を見つけ、具体的にできれば3つ以上ほめたうえで、伸びしろがある点をやんわり指摘するようにしています。
わが子を教えるとなると感情的になりそうになりますが、ググっとこらえることが大切!


おわりに

息子の10年間の日本語学習の軌跡、お役に立ちましたでしょうか??

もちろん、アニメや漫画に頼りすぎ!というご意見もあるかと思いますが、「一緒に日本語のものに触れて楽しむ」
我が家の場合はこのやり方が親子の絆を強くしながら、日本語を学べる最適な方法だったと思います。

家庭でも日本語に触れる動機づけができれば、日本語学校に無理やり通わせなくても、自分から積極的に学ぶようになります。

マザーズ/ペアレンツコーチングで学んだ親としての役目は、子供の興味に寄り添い、機会を与えて、見守ること
ご興味ある方はスクールのサイトをご覧ください。

これからは徐々に、親から精神的に離れていく年齢。
少しずつ外に興味を広げていってほしい。できるだけ自分の意志でやりたいことを見つけて行動していってくれたらいいなと思っております。

この回が10年分とちょうどいいので一旦最終回とします。
でも、子育てはもう少し続くし、まだまだシェアしたいネタはあるので、増えていく可能性も大いにあります!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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