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【連載】息子の日本語教育 5~6歳編

4歳までに、ひらがなカタカナの読みはほぼマスターし、絵本をスラスラ読むようになりました。ずっとアンパンマン大好きだった息子も、さすがに5歳までには卒業!そして、日本の男の子なら誰もが夢中になるアレに出会ってしまいます…

5歳、ヒーローものにハマる

YouTubeで仮面ライダーや〇〇レンジャー、ウルトラマンなるものを見つけ…やっぱりヒーローにハマってしまいました。

当然、後楽園に握手しに行きましたよ!

関連の本も買ってあげたら穴が開くほど読んでました。なんと、ウルトラマンや仮面ライダーは初代から全部覚えてしまいました!

YouTubeでもロボットの紹介動画などがありますよね。これらを見ながら、「この腕の部分の可動域がすごいんですよ~」とか言いながらロボットの説明をしてくれたり(笑)

日本でこんな動画を見せたら、ショッピングセンターに行くたびにバトルになる可能性はありますが…オーストラリアには売っていない、と本人もわかっているので「ほしいなぁ…」とは言ってましたが激しくねだられることはなかったです。サンタさんには早めにお願いして届けてもらってましたが。

ちなみに〇〇レンジャーはPower rangerとして西洋人の俳優さんで撮りなおして3年遅れぐらいでオーストラリアでも放送されていて、3年遅れのおもちゃは売っていますが、AvengersやStar Warsなどのほうがやはり人気ですね。

今では動画などは見なくなりましたが、見えない敵とよく戦っている息子。戦いごっこには賛否両論あるかと思いますが、協調性や力加減を学び、想像力や正義感が育つなど、利点も多いそうですよ。私も子どものころよく妄想しながら、弟と戦いごっこしました。

ベネッセさんが書かれているこちらの記事を参考に、危ないことには注意しつつ大人が見守る中で戦いごっこをさせてみるのはメリットが多いかもしれませんね。https://benesse.jp/kosodate/201605/20160516-3.html

マンガ「よつばと」との出会い

5歳ごろ、私の本棚をあさって「これ、読んで~」と「よつばと!」と言うマンガを持ってきました。子供向けマンガではないのですが、ちょっと斜め上を行く、5歳の女の子よつばちゃんの日常を描いたとってもかわいいお話。

実は海外でも人気らしく、英語版、中国語版が出ているようで、私の生徒さんたちも知っている人が多かったです。

私が日本で仕事を辞めるときに、同期の子が餞別として?くれたのでたまたま持っていました。そのときは「なんでこのマンガをくれたんだろ・・・?」とそこまで心に響かなかったんですが、今では「よつばと!に学ぶペアレンツコーチング」という本を書きたいぐらい、私にとっては子育てバイブルになっています。

よつばは父子家庭なのですが(しかも実の親じゃない)、そのお父さんが「見守る子育て」のお手本のような関わり方をしているんです。

「失敗するのは、よつばの仕事だ。でも嘘はつくな。」

本当に危ないことや嘘をついたときには叱りますが、基本的に、自由にのびのびと好きなことをさせている、よつばが言ったことを否定しない、とりあえず自分でやらせて失敗させてみる…

マザーズ/ペアレンツコーチングでも、子どもの自己肯定感を育むために、見守ること、「失敗できる安心感」を与えることが重要…というお話をさせていただいているので、このマンガからは学ぶことが本当にたくさんあります。

息子もよつばと!が大大大好きで、全14巻を日本帰国時にブックオフで揃え、何十回と台詞を覚えるぐらい繰り返し一緒に読みました。

よつばの台詞はすべてひらがなカタカナで書かれているのでその部分を息子が、他のキャラクターを私が読んだり。だんだん漢字交じりの文を読むのも慣れてきて、吹き出し以外のフリガナが振っていない漢字も読めるように!

ちょうど主人公のよつばちゃんと年齢が近いので、よつばが自転車に乗れるようになったり、ちょうちょ結びができるようになったり、ホットケーキを焼いてみたりするのを見て「ぼくもやってみる」とチャレンジしてくれました。

6歳、一年生の漢字はほぼ読めるように

オーストラリアでは5歳前後の1月から小学校に入学します。1年目は州によってPrepとかKindyとか呼び方が変わるのですが日本語学校では「就学準備クラス」と呼ばれていました。まだ日本の年中~年長さんの年ですから、お勉強半分、遊びから学ぶのが半分、という感じですが、宿題はしっかり出ました。

さあ、現地校に週5日通うので、ここからが日本語保持の難しいところだと言われています。ですからピアノ、サッカー、日本語学校と習い事は日本語の環境を選びました。

言語習得理論的には、例えこの後英語のインプットが増えて、日本語が出にくくなっても、読み書きを習っているとその言語を忘れにくい、と言われています。

4歳からこちらの漢字表を壁やトイレに貼っておいたおかげか、6歳までに1年生の漢字の主要な読みはできるようになっていました。

この時期はiPadでできるMario Runやマリオカートのゲームデビューをさせてしまったのですが、キャラクター説明などがフリガナなしで書かれていて、文脈から推測しながら一生懸命読んでいました。

この時点で、ひらがなカタカナの書きは決して完ぺきではありませんでしたし、字も上手とは言えませんが、本人が書きたいときに書きたいことを書けばいいというスタンスで宿題はリマインドはしますがあまり強制しませんでした。

一時期お手紙ブームがあり、こんなラブレターをよくもらいました♡

この時期、文字を書かせたかったら、ぜひ交換日記や手紙交換をしてみてください。学校から帰ってきたらホワイトボードにメッセージ、とか、付箋に一言メッセージを書いてお弁当箱に貼り、お返事ちょうだいね♡と伝えておくのもいいアイデアかもしれません。

一見、英語が遅れているように感じた

英語の方はどうだったかというと、現地校に入る前までは、実はあまり話せなかったんです。学んでいることは理解しているし、お友達と英語で遊んでいるのですが、よく聞いていると「I two have it(ぼく、それ2つ持ってる)」と語順がおかしい。日本語の干渉がよく見受けられました。

性格も英語環境だとちょっと内気になってしまいます。入学前のインタビューでも聞かれたことに最低限の短い答えしか言わなかったとか。

まだ5,6歳の子たちの英語を聞いていると、ネイティブと思われる子でも文法が完ぺきとは限りません。この時期は英語と日本語のシャワーを浴びて語彙がストックされているところです。異なる文法体系の言語の間でコードスイッチングを繰り返しながら、相手や環境によって考えながらアウトプットしています。

まだまだ発達段階にある、とわかっていたし、母語の発達は年齢相応だったのであまり不安に感じることはありませんでした。息子の言い間違いもかわいかったので直しませんでした。

入学してすぐの作文は語順がめちゃくちゃで意味不明でしたが、1年生にあがる直前の作文を読むと、語順がほぼ直っていました!友達もちゃんとできたし、学校では1年生の最後にはAcademic award をもらえました!

個人差が大きいこの時期、他の子と比べると無駄に不安に感じてつい必死になってしまい、宿題をやらなくてイライラしたりしてしまいがちですが、我が子の成長を信じて見守ることが本当に大切だなと、よつばのお父さんから今も学んでます。

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