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【詩のようなもの】百日紅の花
百日紅の花が綺麗だ。
そうか、昨年のこの季節に彼とお別れしたんだ。
花が大好きだった二人。
最後の言葉は、たったの一言。
「百日紅の花が綺麗だね。」
わたしは伝えた。
「まだ大好きだよ」よりも、
「さようなら」などよりも、
伝えたかったこと。
「百日紅の花が綺麗だね。」
しかし、この最後の言葉は伝わらなかった。
それを知ったわたしはとても残念に思った。
だから、わたしは今年も繰り返す。
「百日紅の花が綺麗だね。」
昨年と全く同じ気持ちで繰り返す。
決して届かぬ相手に思いを寄せて。
もう、失恋からは立ち直ったんだ。
だけど、
伝えられなかった大事な言葉は、
どうしても言いたかった言葉で
この恋で一つだけ残っちゃった
未練なの。
伝えたかった気もちはいつか
天に昇っていくのでしょう
そのときまでわたしはきっと
「百日紅の花が綺麗だね。」
こんな平凡な会話をしながら、ずっと二人で過ごして行きたかったね。
この言葉には、そんな気持ちが込められているのかもしれない。
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