二川君の営業活動を見守ってきた
保護者でも東京生活を支える会に入会したわけでもないのだが、またふたちゃんの試合を観にいった。正確には彼の営業活動を見守った。確かにアウェー京都戦にも帯同しておらず、ちょっと具合悪そう(怪我?)なのが続いているとは思っていたが、もう今日は出るだろうという憶測のもと飛田給へ。メンバー外だった。
東京ヴェルディ1969というチームの、スタジアム内でのファンを拡大、よりコア(ゴール裏という意味ではなくて)に取り込もうという活動は非常に力が入っている。前回もそうだったのだが、メンバー外の選手は試合前・後のコンコースでさまざまな活動に従事する。(チームのホーム地域に住んでいないのでスタジアム外での活動はわからないが、スタジアム内でこれだけやっていれば、ガンバさんの吹田祭に参加しました!みたいな生ぬるいものじゃないのは容易に想像がつく)
メンバー外のふたちゃんは、今日、サイン会というイベントに平本選手と共にキャスティングされていた。イベントは複数あって、トークショー、縁日(夏休み中のホームゲームではちょこちょこやっているらしく、スーパーボールすくいやらの出店があった)、あと2つくらい用意されており、それぞれ2名ずつくらいの選手が担当として掲示されていた。
トークショーはメインゲートを入ったすぐの真正面に設置された特設ステージで、若者2名とスタジアムDJさんが和気あいあいと進めていた。いずれこれにもキャスティングされるんじゃないかとひやひやである。
サイン会が始まると、粛々とサイン作業をこなしていた。こども>女性>男性の順でにやりスマイルが出る。並ぶファンの人から見るとふたちゃんが最初、2番目が平本選手という順番で、2名ともにもらう人がほとんどだったが、ふたちゃんの前を素通りして平本選手に求める人や、ふたちゃんにもらったら平本選手を素通りする人もいた。一番笑っていたのは、ちょっといかついお兄さんが緑のTシャツに隠していたガンバボーイのポーチみたいなものをそっと裏向きに出した時だった。
ガンバのファンよりも皆さん結構あっさりされていて、特に話し込む人もおらず淡々と規則正しくファンは流れていく。握手は別料金なのかと不思議になるくらい皆さんサインだけをもらって流れていく。意外とこの淡々とした感じが合っているのかもしれないが、淡々となりすぎて男性が続くと完全に笑顔も消えて、その横にはちょっと悪そう(に見えるだけかもしれないけど怖い感じ)な平本選手という取り合わせは非常にシュールな景色だった。
ヴェルディのゴール裏に近いコンコースでサイン会は行われていたが、一度ツェーゲンサポの方たちが売店帰りにサイン会ブースの前を通り過ぎた。と思ったら戻ってきて、「二川さんだ二川さんだ二川さんだ二川さんだ」とびっくりしすぎた人が同じ言葉しか発せない状態になってしばらく見つめていた後、すごく上気した顔(暑かっただけかもしれない)で去っていくという出来事もあった。レアポケモンみたいな感じなのかしら。
ただ、こういう活動を極力避けてきた彼にとってはたとえ流れ作業であろうが若干の心労が伴うと思う。
とこれまでは思っていた。
でも今日見ていて、それがヴェルディさんの巧みな手腕なのかもしれないが、もう仕事として受け容れている(嫌々感がそれほど漂わない)印象があった。試合に出なかったら営業活動ね、試合に出たらラインダンスね、あーどっちがましやろみたいな葛藤はあったかもしれないが、移籍をしたことで別の人格の幅を(無意識のうちなのか強制なのかは不明だが)広げようとしているのかもしれない。
広大な味の素スタジアムに集う観客数を目の当たりにすると、チームが集客、特にスタジアムに1度来た人を再来訪させようと選手をフックに仕掛けを行う気持ちは痛々しいほどわかる。そういうところを理解し、自分なりの営業活動を粛々と開始している新しいふたちゃんをみて、お盆休み真っ只中の仕事を私も粛々と進めていく所存である。
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