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指輪ものがたり-思い入れのない指輪を唯一無二にした方法-

今日、6/18は私たち夫婦の結婚記念日だ。
2013年を結婚して、もう丸8年が経ってしまった。
せっかく記念日なのでそれにちなんで、私たちの結婚指輪について書きたい。

結婚指輪への思い

正直、結婚指輪への憧れはあまりなかった。
自分で買った指輪を、しっくりくるからという理由で左手薬指につけたりしていたので、その指への特別感もあまりなくなっていた。

結婚式までに指輪を準備しなければ!という義務的な思いで、ネットでリサーチすると、素敵なオーダーメイドの指輪がたくさん出てくる。
夫婦の好きなものをモチーフに入れたり、二つの指輪をくっつけるとなにかの形になったりする凝ったデザインを見て、思いが詰まっていて素敵だなぁと思った。

私たちは二人とも音楽が好きで、そのつながりで知り合って一緒に曲を作っていたので、音楽モチーフを入れるとか?と頭をよぎったりもした。
でも、音楽が好きという気持ちはそんな情熱的なものではなくて、つかず離れずで生活の中にあるものだったので、指輪に取り入れるのも違うな。縛られそうだな。

他に特にこだわりたい点もなかったので、オーダーメイドはやめて、既製品で、できればお手頃価格なものを購入するべく、お店に向かった。


キラキラの店内で浮かれる

お店に行くと、目も眩むほどのキラキラなディスプレイにたくさんの指輪が並んでいて、憧れがないとはいえテンションがあがった。

夫はというと、指輪をつけるのも初めてで「こんなに小さいのに重いなー」(精神的に?)と言いながら、買う気もないほどのお高い指輪をここぞとばかりに試着していた。

「ちょっとくらい重い方がなくしたときに気づきやすいかも」
「ギターを弾くときに邪魔にならないか?」
「それならあまり分厚いのはだめかも」
夫の指輪は実用性を重視した、お手頃価格のものに決まった。

一方、私はいろいろ着けてみたけれど選びきれなかった。
それなら私は夫と同じペアのものかな・・・と思い、試着してみると細くて華奢なデザインだった。
華奢なものは若いうちはいいのだけど、年を取って手がごつくなってくるとバランスが変わってくる、とお店の人に聞いていたので悩んだ。

悩んだ結果、夫のと似たデザインの違うシリーズの指輪に決めた。
ちょうどいい太さで、年を取っても見栄えがしそうなデザイン。
選んだ指輪をつけて、二人で並んで写真を撮ってもらって、仮予約をしてお店をあとにした。


優柔不断

私はめちゃくちゃ優柔不断だ。
帰りの車内でも、家に帰っても、これでよかったんだろうか・・・と考え続けていた。

なににもやもやしていたかというと、夫とお揃いの指輪ではなくなったことだった。

当時の私は23歳、30を超えた今思い返すと可愛いことで悩んだもんだなぁと思う。
別にお揃いじゃなくたっていいんやで!
指輪お揃いにせんでもとりあえず8年は続いてるぞ!と言いたい。

でも、当時の私は悩んだ。
それまで付き合っている間、お揃いの物は持ったことがなかった。
自分も別に興味はないし、夫は更にそういうものには興味がなかったから。
逆に言うと、この結婚指輪がお揃いの物を持つ最初で最後の機会なんじゃないか。
ひとつくらいお揃いにしてみたらいいんじゃないか。

悩んで悩んで、そしてお店に電話をかけた。


「指輪、仮予約なのでまだ変更できますか?
夫と同じシリーズに変更したいのですが・・・」

お店の人はこう言った。

「まだ変更できますよ。
でもいいんですか?一生のことなので、後悔するかもしれませんよ」

その言葉を聞いて、「いえいえ、大丈夫です」とにこやかに返事はしたものの、内心では私の負けん気が顔を出していた。
私にはこの指輪だ!この指輪しかない!と言うための既成事実をつくらなければ!と思った。

後付けの意味で十分

そうして私は、夫と一緒にひとつの曲を作った。

曲名は夫とお揃いの指輪の名前「コントレイル」にした。
コントレイルというのは飛行機雲という意味だ。
歌詞にも指輪のデザインの特徴を入れ込んで、この指輪でなければでき得なかった曲を作った。
(そんな心意気だったのは私だけで、夫は指輪に関係があるなんて露知らずだった)

この曲があるから、私たちの指輪は既製品だけど唯一無二だ!と思えるようになった。
とても気に入っている。曲も指輪も。


8年経って

それから8年が経って、指輪は無事健在している。
私はすぐ物をなくすので、いつまでもつかしらとちょっと思っていた。

妊娠中に外して、出産後またつけるときにきつくて入らなかったので、号数は少しアップしたけれど、それも我が家の歴史だ。
指輪に対して後悔もなければ、不満もない。

ちなみに、もうすぐ10周年がくるので、そのときに今のものに重ねてつけられるような指輪を追加してもらえないかな?と思っている。
やっぱり、夫にプレゼントしてもらうというていがいいじゃないか。
別に、もうお揃いにこだわってないので、私の分だけでもいいんだからね!!


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