見出し画像

小学生のドラマ

最近子どもたちとチョコレート戦争を読んだ。毎晩寝る前に一章と決めていたのにもう途中からハラハラドキドキして後半は夜遅くまで一気に読み切った。終わった後も興奮冷めやらず、ずっと感想を話し合っていてなかなか寝付けなかった。あの本の小学生たちは本当にドラマチックだなと思うけど、でも実際の子どもたちの毎日も私はすごくドラマだなと思う。

先週、小学3年生の息子が走って帰ってきて「ママ、Mちゃんめっちゃ行動力あるわ!」と興奮している。どうしたの?と聞くと、帰り道に鳥の子が死んでいたらしい。そこに小学生たちがみんな集まっていたので、息子もなんだろうって親友のMちゃんと見に行ったそう。そのあとそのまま帰っていたらMちゃんが「やっぱりあの鳥かわいそうだからお墓に埋めてあげよう!」というので、また鳥のところまで引き返したら上級生の子がその鳥を持って行ってしまったよう。そこでMちゃんは上級生のところまで「返してよ!」と立ち向かって行ったというのだ。結局、鳥は上級生がくれなかったのだけど息子は知らない上級生に向かっていったMちゃんのことをすごくかっこいいと思ったと熱く語ってくれた。まるで灰谷健次郎の童話集に出てきそうな話だ。

小学一年生の娘は娘で、晩ごはんの準備をしていたらぼそっと「ママ、自分の子がバカにされたらどんな気持ち?」と聞いてきた。「そりゃあ、悲しい気持ちになるよ。どうした?何か嫌なこと言われた?」と聞くと「ううん。私じゃないんだけどさ、Rちゃんがさ・・」と。友達のRちゃんが同じクラスの男の子にバカにされていて、娘は何をどうしたらいいかわからなくて、ずっともやもやしていたらしい。でも多くは語りたがらなくて「ううん。もういいの!違うから」とはぐらかしていた。そのあと一応ちょっと話をしたけど、こういうのはあんまりおおごとにせずにサラッと返した方が良いような気がしてる。

子どもたちは聞いてほしくて、聞いてほしくない。

ご飯を食べながら息子も「Mちゃんがさ、苦手な子がいるんだって」とボソリ。「ふ〜ん。誰?」と聞いてしまった私がバカだった。次の一言は「それは内緒。本人に言わないでって言われたから。本人に聞いてみてよ」と。そうだよね。誰かなんて大事じゃなかった。「なんで苦手なのか」をなぜ私はあの時パッと聞けなかったのか。親にも瞬発力が問われる。

子どもたちとの話はどんな話も一生懸命に生きているのが伝わってきて胸がキュンとなる。一生懸命考えてる。一生懸命感じてる。何もかも全部は教えてくれなくて、でもその一部をちょっとのぞかせてくれるそんな時間がすごく好き。

どんなインタビューよりも難しくて楽しいこのやりとりがたまらなく好きなのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?