見出し画像

これからの時代の教育に求められることは

ここ数年、学生たちと関わる機会が増えて思うのは、今の子たちは私たちの世代よりも「はるかに良くできる」ということだ。伝える力も、聞く力も、まとめる力も、情報を得る力も何もかも。それは学校以外の場所でネットやSNSを通してそれぞれのジャンルのプロの話が聞けたり、多くの大人と関わったりということが簡単にできるようになっているからなんじゃないかなと思う。今朝も一緒に気候変動の活動をしている高校生から、送っていた資料に対する見事な返しを受け取ったところだ。同じ資料を実は何人もの大人に送っていたのだけど高校一年生の彼女からの返信が一番踏み込んだ素晴らしい内容で私は感嘆のため息をついた。

グリーンジャーニーの活動を始めた頃は「子どもたちが大人になる前に今ある問題を解決してバトンタッチしてあげたい」と思っていた。でも今はちょっと違う。「彼らが大人になる頃にはきっと私たちが解決できなかった問題を、私たちが思いもつかなかった方法で解決していくに違いない。だから、バトンタッチのその日までせめてこれ以上悪くしないようにするくらいのことしか私にはできないのかもしれない」と思っている。だからこそ「環境」の活動に加えて「教育」を今年からライフワークに組み込むことにした。私たちでは解決できない問題を、解決できる力をより多くの子たちが持てるお手伝いをしたいと。

以前少し書いたような気がするけど、私は自分の息子が小学校に入って学校教育の内容が自分の時代から全然変わっていないことに心底驚いた。答え探しばかりの問題、みんな同じノートのとり方・・なんだか私には「同じ」をたくさん作る訓練みたいに見えた。そりゃあ高校卒業するまでに好きなことも見つけられなければ、自分の意見を語るなんて難しいよね。そこで私は自分の受け持っている大学の授業は「話の聞き方(ノートの取り方)」と「話し方」から始めるように変えた。せめて大学時代にそこだけはできるようにしてあげたい、と。それは私が13年間のラジオDJ生活と数々の講演会のパネリストの経験で培ってきた技術だった。私はこういうのを全て大人になってから身につけてきた。でもそれを学生のうちにできるとその人の幅はぐっと広がる。

そういう力を持っていないと、いくら良い環境に身をおいてもその場を生かしきれない。私自身が良い例だった。イギリスに留学しても、大学で素晴らしい教授に会っていても、自分自身にその環境を生かす力や視点がなかったために今思っても本当にもったいない過ごし方をしてしまった。もちろん行ったことは無駄になってはいないけれど、もしあの時の自分にもっと洞察力や思考力、好奇心があればその経験を何倍もの成果に変えられただろうにと悔やまれる。

教育において大事なのは「どの学校に入るか」や「どの会社に入るか」ではなく、「どの学校に入っても、どんな仕事についても、使える力を持つこと」だと思っている。だけど、ここから教育システムを変える活動をするにはあまりに壮大で時間がかかるので、私は自分の手の届く範囲で、私と出会う子達にはそれをどんどん伝えていくことにした。

さっそく来月2/24(木)19:00〜金山の名古屋市子ども・若者総合相談センターで講演会をさせてもらう予定だ。対象は名古屋市在住・もしくは在学の15歳〜39歳。「自分で道を切り拓いてきたラジオDJ」というタイトルで、テンプレートではなく自分でどんどん動いて作ってきた道を高校時代から振り返ってお話しします。そこから振り返って今みんなにはどんな力を持っていて欲しいのか、今のうちにどんなことをしておきたいのか、そんな話ができたらな、と。またチラシができたらお知らせします。

子ども・若者総合相談センターの丹羽さんと

そしてもう一つ今年ライフワークに新たに入れたいのは「主婦の力を生かす!」子どもが生まれて仕事をやめ主婦をしている人たちの力のもったいなさといったら!!グリーンジャーニーは仕事をしている人も主婦の人も半々といった感じだけど、どちらも同じように本当にみんな能力が高い。主婦の人に関してはその能力を生かす場所がこれまでなかったなんて何という社会の損失なんだろうかと思ってしまう。もちろん子育ても大事な仕事だし、家のことだけやるのが好きな場合はそれはそれで全然良いと思うのだけど、一方で「フルで仕事するまで時間を取りたくない。何かしたいけど何をしたらいいのかわからない」という声が多いのも事実。そんな後者の人たちの受け皿になれたらいいなと思っている。

だって、冒頭に書いた高校生の彼女に20年後「結婚して子育てだけしています」って言われたらやっぱりもったいない気がしちゃう。ちゃんと課題を解決していける力を持った子達が結婚して子どもができた後にもその力を生かせる場所を今の世代の人間として作っておきたい。それは別に仕事じゃなくても、グリーンジャーニーで生き生きとお母さん、お父さんが活動して社会を変えている姿を見せることは、子どもたちにも何か伝わることがあるような気がするのです。

そんな訳でグリーンジャーニーでは現在サステナ社会作り部、畑部ともに部員募集中です(田んぼ部は満席です)。お気軽にお問い合わせください。

畑部、新年初活動は部長と木登りもしましたよ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?