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ビッグ・リトル・ファーム〜理想の暮らしのつくり方〜

久しぶりに思いっきり深呼吸をした気分。コロナの影響でなかなか遠出もできず、家にこもりがちだった中で美しい自然を体いっぱいに吸い込ませてくれる映画だった3月28日(土)より伏見ミリオン座で公開予定の「ビッグ・リトル・ファーム」を一足早く見させてもらった。

愛犬の泣き声が原因で都会のアパートを追い出された夫婦は郊外へ移り住むことを決意。料理家の妻の希望もあって東京ドーム17個分の荒れ果てた農地を自然の循環を生かす形で蘇らせることにした。これはその夫婦が築いた自然豊かな農園の8年間をおさめたドキュメンタリー・・いや、彼らが目の当たりにした生態系のものがたりだ。

野菜や植物を育てていると時に虫や鳥が敵のように思えてしまうことがある。我が家の小さな庭でさえ、花の茎にびっしりとアブラムシがついていたりすると「またか!」と一刻も早くアブラムシを撃退する対策を立てたくなる。でもこの映画を見て、そうか、そこで薬を使わざるを得ないというのは人間だけで解決しようとしていたからなのか、と気づかされた。アブラムシはテントウムシたちにとってはなんというごちそうたち。実際映画の中でもてんとう虫がアブラムシの問題を解決してくれるというシーンが出てくる。その他にも敵だと思っていたあの動物は、実は別のところで困っていた動物を食べてくれたり。あの鳥が、あの動物を追い払ってくれたり、と。生態系の法則を知り、うまくそこに当てはめていくと夫婦の農園は驚くほどうまくまわっていくようになった。それは農園もそこに暮らす人も生態系の中にきちんと収まったということの表れなのかもしれない。

グリーンジャーニーでインタビューをしていると、よく「人間だけが生態系から外れてしまっている。」という声を耳にする。以前、取材に行ったパラオでは家庭から出てくるゴミが全然臭くなかった。それは生ゴミは犬が食べてしまうからだということだった。アフリカでもそうだったな。人がもっと自然の生態系の中に入り込むことで解決できる問題は他にもたくさんあるのかもしれない。

実は私も今年から自然農というやり方で畑をやる予定だ。詳しくはこちら。このタイミングでこの映画を見られたことは最高だった。農業をやるとなるとこれまで以上に自然の声に耳をすませ、その変化に目を凝らさなければならなくなるだろう。でもそれができた時、世界の見え方がとたんに美しくなることをこの映画は教えてくれた。今はそれが楽しみで仕方ない。

伏見ミリオン座で3月28日(土)〜公開予定


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