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そこまで悲しくなかった

それは、中三の先輩が最後に演奏する時間だった。この演奏会に向けて、一生懸命練習して、ようやく披露する日を迎えたのだった。たった一人の打楽器奏者である私は、一番後方で全体が見える位置にいた。指揮者の顧問の先生が、演奏の途中で指揮をするのを止めた。そして、隣に置いてあった椅子を放り投げて、あばれだした。先輩たちは全員泣き出した。同級生も泣き始めた。

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