触る

触る  中山ラビ
眩しい光の中で 目が触る
冷たい 朝に アスパラガスが咲く
昨夜の激しさに 食欲のささくれ
くちいっぱい残ってる あなたはもう
出かけていった
眩しい光の中で 目が触る
 窓が小さく開いて 触る 触る
細い 挨拶を 熱帯魚が泳ぐ
息を詰まらせ 青い海を読んでいる
眠気覚ましですか あなたに電話で触る
 例えば笑いが 別れ道になる
あなたの声に触る
騒がしい、胸に 風が触る
時計はとまって 二人の間に
割り込んだ猫は、まだ 濡れていた
あなたは今、山を崩していく 騒がしい胸に風が触る
さわる さわる 風が触る

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