7.弱気に株デビュー

 実は2ヶ月ほど前から、今までに貯めた75万円のうち15万を、新たに開設した証券口座に移して株の運用をしている。

 15万!弱気!もっと突っ込めば?

 と思われるかもしれないが、勘違いしちゃいけない。75万というのはわたしの余剰資金じゃなく今のところの全財産だ。とても株なんかに手を出していいような金額じゃない。でも、わたしは一回興味を持ってしまったらとことん勉強しないと気が済まないのだ。

 今まで、公的年金とか預金についてわからないことはハッキリさせようといろいろ調べてきた。ほかに、個人年金とか国債とかふるさと納税とか、お金に関わることは調べて、どんなメリットがあるのか勉強したけど、リスクが少ないモノだけに、メリットも少ない。お金をあんまり持ってないわたしにとってはね。

 株の運用も、あれは金持ちがやるものだと思ってたから今まで考えもしなかった。しかし昨年、NISAの制度が始まって、税金のかからない枠が出来上がったことで、金持ちじゃなくても株式投資がしやすくなり、新たな個人投資家が増えたらしい。

 今までより株が身近になった今だから、わたしは株式投資を勉強したくなった。実際に身銭を切って運用し、果たしてお金というのはどういうふうにして動いているのかをぼんやりじゃなくてきちんと理解したいのだ。損をしても、それは授業料ってことで。

 なので、ここからは資産という言い方にするけど、その資産75万のうち60万は複数の銀行に定期預金として残し、15万は証券口座に入れて実際運用してみた。はっきり言って実際運用してみるまでは株の知識など皆無に等しかった。

 だってそもそも株がなんなのかわかんないんだもん。

 だけど、見よう見まねでちょっとずつやっていくうちに、徐々にその仕組がわかって行くのはおもしろい。元手が15万なので、大儲けしようともできるとも思ってなくて、お金を増やせる方法があるなら、元気なうちに学んでおきたいというくらいの弱めの気合いの運用だ。

 この2ヶ月は、主に1社の株を買って、チャートを見ながらおっかなびっくり売ったり買ったりして、結果は今日の時点で1000円のプラス。

 2ヶ月で15万を1000円増やしたと言うことは、計算すれば0.66%の利益で、これを1年に換算すると4%近くになるので、銀行の定期預金の年利よりずっといいことになる。とは言っても、株価は常に変動するのであって、単純な掛け算で計算できるものではないんだけど。

 2ヶ月で1000円ったって、その期間で徐々に増えた訳じゃなくて、一時期3000円プラスしたものが、2000円下がったというわけ。最初儲かったのはビギナーズラックだと思う。そこはまだまだ勉強と慣れが必要だなって思うけど、正直15万くらいの資金じゃ、本当に「投資」したい企業の株は買えない。

 現時点での運用って、応援したい企業の株を長期で保有する「投資」じゃなくて、販売価格が小さめの株を安いときにたくさん買って、値が上がれば売って利益を出す「トレード」に過ぎなくて「投資家」って胸はって言えない気がする…。もっと潤沢に資金があれば、ホントの「投資」のほうにもお金まわせるのに。

 と、このタイミングで会社から25万のボーナスが出た。さてどうするか?

 全部突っ込む?わけないべさ。株はもちろんやるけど、リスクのない預金の方も、きちんと増やしていきたいのだ。で、考えた結果、20万をこないだ触れた満期特約型の定期預金に、5万を証券口座に入れ、株にまわせるお金を20万に増やした。

 ともあれ、これでやっと全資産が100万を超えた。もちろん、この歳だったらもっとなきゃいけないと思うんだけど、300万円の借金を抱えてみたり、結婚と離婚をして持ち金がごっそりなくなってみたりした過去を思えば、まあまあ頑張ったのではないかなぁと思う。まずひとつ壁を超えた感はあったので、これを励みにまた頑張ろうと思う。

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