10.「100円は100円ではない」

 わたしがなぜ経済に疎いのかって言ったら、それはやっぱりお金に強くないからだと思う。例えば、円高とか円安とかいう概念が理解できないし、さらに、インフレとかデフレを説明しろって言われたらそっとその場を後にするだろう。自分の持ってるお金にはめちゃくちゃ気を払ってるのに、もうちょっと広いお金の話になるとてんでダメだ。株を始めようという時になってようやくわたしはお金とはいったいなんなのかということを学ぼうと思った。

 まず理解出来なかったのが、「お金の価値が変わる」という考え方だった。何言ってんの。100円は100円でしょと思ったんだけど、どうやら、100円は100円じゃなくなることがあるらしい。もうわけがわからない。

 もちろん、今持ってる100円玉が明日になったら5円玉に変身するということはない。あったら気持ち悪いわ。だけど、目に見えないところで、100円は5円になる可能性もないわけではないと言うことらしいのだ。この考え方には参った。なぜならわたしは目に見えるものしか信じられないからだ。

 毎日ニュースで報じられる外国為替市場の数字。1ドル何円というあの数字。

 この数字はなぜか毎日変動する。そして円高とか円安とかよくわからない言葉が出てくる。例えば昨日の相場が1ドル120円だったとして、今日になってこれが1ドル110円になった。円が安くなったからこれは円安なのかと思ったらそうではなく、これは円高だという。

 白目("゚д゚)

 わたしにはその理屈がどうしてもわからない。

 これを理解するのには、どうしても今まで持っていたお金の概念をぶっ壊さないといけなかった。極端に言うと「100円は100円ではない」ということを「お金の価値は固定ではなく、いつも変動している」ということを自分の頭にたたき込まねばならなかった。目に見えないところで起きている、まるで仮想の理論で理解に苦しむが、噛み砕いてゆっくり考えた。

 「昔はたばこが100円で買えたけど、今は400円もかかる」といった事柄があったとき、わたしたちは「物価が上がった」と思うけど、裏を返せば「お金の価値が下がった」とも言えるということだ。どっちが真実か具体的なところまではわからないけどね。

 たばこ1箱を買うのに昔は100円玉1枚で済んだのに、今は4枚必要だということだ。つまり、昔の100円玉には、今の100円玉の4枚分もの価値があったということである。見た目は同じ100円玉なのに、パワーは昔の100円玉のほうが強かったということだ。なんということだ。

 「お金」そのものより「お金の価値」を考えることがとても大事なのだということか。この理屈で円高円安を考えると正しく理解できる。昨日は1ドルを得るには120円出さなくてはいけなかった。それが今日になって1ドルを得るのに110円出せばよくなった。見た目は円安っぽいが、昨日の円と今日の円、どちらがパワーが強いかっていったら110円のほうである。円の価値が相対的に高くなったのでこれは円高。

 海外に旅行に行くときには、円高のときに行けば、現地のものを安くお買い物できるってことだから、ここを取り違えるととんだ損になってしまう。気を付けよう。と言うか、近々海外に行く予定もないんだけどね(笑)

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