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バターシュガートーストが好きすぎる

 子供が好きそうな、体に悪そうな食べモノが大好きだ。例えばバターシュガートースト(メーカーによって名称に違いあり)。ホンモノのバターじゃない。バター風味のマーガリンだ。

 出会いは市販のものじゃなくて、高校の購買だった。当時わたしは若さゆえに食欲が底なしで、弁当持たされていたのにそれじゃあ足りず、こっそりパン買って食べていた。だがしかし、運動部に所属していたわけじゃないので、だらしない体型まっしぐらだった。親が知ったら泣くなコリャ。

 高校生のお小遣いなんてたかが知れてるから、毎日毎日人気のパンなぞ買えなかった。わたしにとって幸いだったのは、購買の中で一番安いパンの中にバターシュガートーストがあったことだった。

 高校卒業して、短大に進学し、しばらくの間バターシュガートーストとは距離を置いていたのだけど、社会人になってからコンビニに「あの思い出の味」に酷似した商品を見つけてしまった。そこからは、何をおいても菓子パンを買うときはバターシュガートースト一択である。

 食べるときのポイントは「あっためるな。むしろ冷やせ」ってこと。トースターで焼いてマーガリンを溶かして食べてたりしてはいけない。

 固まったマーガリンと存在を誇示する砂糖。一口齧るとジャリッという歯触りとこれ以上ない「油脂の固まり!」といった激しい主張。ああ、これ絶対消化に悪いような気がする。

 冷えてるもんだから香りとか全然ない。食感と味のみダイレクト。

 甘い!油脂!甘い!油脂!パンふかふか!

 パッと見、厚切りのパンに見えるけど、実は薄いパンが2枚重なっている。もちろんもう1枚にもマーガリンと砂糖はオンしている。ゆっくり楽しみたいときは分離して、がっつり行きたいときはまとめて食べる。

 表面に油脂塗った状態で包装してあるもんだから、袋にべったりとマーガリン。これはキレイに捨てられないタイプのヤツ。そしてわたしがいつも買うトーストの外袋、なんでかシンプルな袋の形ではなくて、外側の袋とパンの間にふんどしのようなビニールもう一枚。これはいったい何なのだ。そういうわずらわしさも含めてわたしはこのパンを溺愛している。

 週明けの朝ごはんにと今日もまた買ってしまった。ブルーな月曜を少しでも幸せな気持ちでスタートさせたいのだ。

 大丈夫、今日もパンはふかふかだし、砂糖は甘いし、マーガリンは1ミリ以上の厚さでパンに乗っかってる。わたしはその厚さを観察してしばし幸せを手に入れる。

※よいこはマネするんでないよ。したっけ。

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