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家を買う(11) スケジュールの確認

【今回関わる人】
古路さん・・・中古マンション仲介やリノベーションをまるっと面倒見てくれる「すまいクリエイト」の営業担当。テンション高め。
※企業名・個人名はすべて仮名です。

 物件探しをしている間、裏ではもうひとつの事が進行していた。それは、住宅ローンの事前審査。

 住宅ローンを借りる際に必要になる審査はなんと二回ある。「事前審査」と「本審査」だ。事前審査というのは銀行が、わたしの求める額を出せるかどうか、そして、債務者(つまりわたし)が、信用できる相手なのかどうかを調査するというもの。

 事前審査は仮審査というほどには軽いものでもなく、申込書も様式の違うものを数枚書かなくてはいけないのでかなり面倒。このうち物件に関わる部分は古路さんが埋めてくれたので、わたしは自分の氏名、生年月日、現住所、勤務先の詳細、年収、資産内容などを埋めて提出していた。

 とは言え、これを書いていたのはまだ物件も決まっていない時期。いくらのマンションを買うのか、いくらのリノベーションをするのか、具体的には決まっていない。そんなんで事前審査なんてできるの? わたし、いくら借りるのかまだわからんよ?

 そこらへんの「予算感」はすまいクリエイトがプロなので、これまでいくつか見た物件の価格、想定されるリノベーションの価格から「こんぐらいだな」という数字を算出してくれていた。その金額で事前審査をして、それが通れば、十中八九、本審査も通るという。

(※補足:事前審査は何度もできるので、物件を迷ってた時期に何回か申込書を書かされた記憶がある。たぶん物件が決まってなくても事前審査はできるけど、物件が本決まりしたら、該当物件の条件で改めて事前審査の申込書を提出するというのが正しい解釈だと思う。記憶が曖昧でごめんなさい)

 そんな訳で、物件が決まる前から、手続き関係はスタートしていた。ここからは怒涛の手続き地獄である。中古のマンションを購入してからリノベーションが完了するまで、しなきゃいけないことはざっとこんな感じだ。

①住宅ローンの事前審査
②リノベーション内容の打ち合わせ・契約
③マンションの契約
④住宅ローンの本申し込み
⑤リノベーションの設計打ち合わせ(数回)
⑥マンション金消契約
⑦マンション決済
⑧着工後の立ち会い検査(数回)
⑨リノベーション金消契約
⑩リノベーション決済

※金消契約…お金を借りるための契約
※決済…借入金の支払い

 これをだいたい4~5ヶ月の間にやらんといかんのだ。わたしの場合、ここらへんのことは全部すまいクリエイトがスケジュール管理してくれて、ひとつひとつの予定が近づいたら連絡をくれて、この手続きに必要なものはこれとこれですって教えてくれるからいいんだけど、もしもこれを、誰の助けも借りずにひとりで管理しろって言われたら、念入り慎重なわたしでもできる自信はまったくない。

 お金のことにしたって、自分ではとても判断できない。銀行の住宅ローンのシュミレーター使えば、わたしがいくら借りられるかは年収からだいたい割り出せるけど、そのうち物件購入資金はいくら、リノベーション資金はいくらという判断はできない。どっちも相場がわからないもの。

 だから、これまでいろんな物件を見てきたんだけど、だいたい同じ価格帯のものを紹介されてたのって、すまいクリエイトで「迷子さんの借り入れ可能額はこれくらいだけど、実際の支払い能力はこのくらい。で、その予算から見て物件の価格帯はこれくらい、余りがリノベの資金で内容はこれこれ」というシミュレーションをしてくれていて、それに基づいて紹介されている物件なんだと今ならわかる。

 わたしは決して高給取りではないので(年収300万円台)、リノベーションにお金をかけるなら、新耐震基準の物件はもともとムリな線だったのだ。もちろん、時間がたっぷりあれば奇跡的に新耐震の物件が見つかったかもしれないけど、そこの余裕があまりなかった。

 物件が決まり、ここからは第2ステージ、あんまり楽しくない時間の始まりだ。物件の売買契約、ローンの審査・契約。たくさんの説明を聞いて、たくさんの書類を書かなければいけない。

 で、契約書を記入する際に必要になる実印を、近所のはんこ屋さんに作りに行った。女性の場合、結婚などで姓が変わることを想定して下の名前のみで作る人も多いけど、わたしは今後結婚できそうにもないし、自分の生まれた家の姓が好きなのでフルネームで作った。

 きっと、家を買うことがなかったら実印なんて一生縁がなかったろうなーと思うから、なんだか感慨深かった。続けて役所で印鑑登録。これで、ただのフルネームの印鑑が、正式な印鑑にパワーアップした。

 印鑑を作ったのが昨年の1月のこと。ここから怒涛の手続きラッシュ。これが想像を絶するくらい大変だった。そこらへんはまた次回。

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