日本人よ恥を知れ

 百円ショップで買い物。安いと思ったらあれもこれもと買い込んでしまうが、混んでいて途中で意欲をなくしてしまった。なので物色はそれでおしまいにしてレジに並ぶ。すごい列だ。もうやめて帰ろうかな・・・と思った瞬間に列がどんどこ進み、レジの兄ちゃんから「こちらどうぞー」と呼ばれた。

 「いらっしゃっせ。ポイントカードお持ちですヵ・・・?」

 何だ、早口なうえに聞き取りにくいな。

 「えー、3点で324円になりま・・ゥ・・・」

 「袋はお使いです・・ァ・・・?」

 なんだコイツ。

 「ありがとうございまし・・ァ」

 コラ!語尾はきちんと発音しろ!

 その兄ちゃん、早口なのは混んでいるからしょうがないとして、言葉がフェードアウトするようなしゃべり方なので、語尾がぜんぜん聞き取れないのだ。

 君、あれだぞ、言葉は八割方言えてれば通じるとかいうルールないんだぞ。そんなしゃべり方で誰も注意しないのか。

 少々気分が悪くなりつつ、次は大型衣料店にインナーを買いに行った。ここでもレジは行列していて、やっと呼ばれて行くと、レジの兄ちゃんはなんとインド人だった。

 あっ・・・。

 失礼ながら、ちょっと不安になった。ちゃんと意志の疎通ができるかなぁって。単純に現金でのやりとりならいいのだが、こんな時に限ってクレジットカードで支払いするのでなんか心配だ。ところが、

「いらっしゃいませ」

「ポイントカードはお持ちですか?」

「お支払い回数はどうなさいますか?」

と、たいへん明瞭な日本語で応対してくれたのだ。それも、生まれたときから日本に住んでたっていうネイティブの日本語ではなく、インドから移り住んで、そこからがんばって勉強した日本語といった感じのなまりが残っている。努力の跡がにじみ出ているのだ。わたしは大変感動した。疑ってゴメン。

 このインド人のことがあったから、先ほどの日本人の兄ちゃんのことをさらに恥ずかしく思ってしまう。アイツ、このインド人の爪のアカ煎じて飲ませたい、というか、小学校からやりなおせというか、いっそのこともう出家してくれというか、複雑な気持ちになってしまう。

 それでいいのか、日本人としての誇りはどこへ行った?海外から移って来た人のほうがよっぽどまともな日本語話してるぞ。

 日本人よ、恥を知れ。(わたしも含めて)

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