自分を表現することについて

昨日はとても刺激的な夜でした。
というのもこの映画を見たから。

私が初めて自分で買った財布、実はヴィヴィアンウエストウッドのものなんです。でも、よくあるチェックのデザインではなく、黒地に西洋絵画がプリントされている独特なもの。これに惚れて一か月分のバイト代をつぎ込みました。それからというもの、ヴィヴィアンの店舗を通る度に面白いものはないかと覗いています。

この作品を見るまで、ヴィヴィアンウエストウッドの歴史やどのようなコンセプトなのか全く知らずにいました。
ですが、この作品を見て大好きになりました。

ヴィヴィアンは独自ブランドであるヴィヴィアンウエストウッドを立ち上げ、世界中に店舗を持ち、2度の結婚、離婚を経て現在の仕事でのパートナーでもあるアンドレアスさんと結婚され、公私ともに充実されています。
と簡単に語れる訳はありませんよね。

まず衝撃だったのは、ヴィヴィアン自身が過激な反社会的活動をしていたということです。真実は他人から教わるものではなく、自分で知っていくものだと自覚したのは、キリストの磔刑図を見た時からだそう。両親から受難について教わっておらず、この事実に衝撃を受け、自律を誓うようになりました。その後13歳くらいの頃から自分で洋服を作り始めます。
そして二人目の夫、マルコム氏との出会いが知的で爆発的なファッションの源流ともなったよう。ともにパンクロック調のブティックを経営し始め、ファッションで自分たちの考えを発信するようになります。世間への反発を行う中、ヴィヴィアンの才能が少しずつ世の中に気付かれていきます。
ですが、自分のブランドを立ち上げては運命のいたずらでうまく行かず、一度は失業保険をもらうところまでになってしまいました。そんな中でもヴィヴィアンとともに制作活動をしたい、世の中にない服を作りたいという人々があつまり、更に活動の幅とスピードが上昇。本人もいつ成功したのか分からないというくらい日々ストイックに活動をしていたのだと思います。

御年78歳のヴィヴィアンは、現在でも積極的に活動を続け、デザイナーだけでなく、環境保全の活動や政治信条を貫くかっこいい女性です。そして映画の中でも、ヴィヴィアンウエストウッドの名で出る商品に関してのプライドとこだわり、信念を曲げない様子に心を打たれました。
そして、会社として事業を拡大していことが美徳とされがちな世の中ですが、ヴィヴィアンは違います。自分の考えが行き渡ること、全てを把握できることに対して重きを置き、「私はお金に興味がないの。だから、ここまで会社が大きくなると困る。」と言いきってしまいます。その姿が、彼女のこれまでの人生で何を大事にしてきたのかを物語っていました。

ほんとにかっこいい。自分の生み出した作品に責任と誇りをもつこと、自分を表現し続けることについて深く考えた夜でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?