奇妙な話 #1

休憩や寝る前など片手間程度に
※ゆっくりめに読んでいただけるとありがたいです。

これは僕が大学を卒業して東京で住宅関連のサービス業をしてた時の話です。
その日は会社から作業後、時間が余るならご近所にビラ配りしてと頼まれていたので、僕は依頼があった住宅の案件を済ませ現場近くで一軒一軒ビラを配っていました。その際一応お声かけも出来るならしてと言われてたので、同様にベルを鳴らして軽い営業(あいさつ程度)をして5〜6件ぐらい行った時に、ちょうど玄関がすりガラスで若干年季が入った家が見えたので、そこを最後にしようと思いベルを押して「すみません」と言ったが出てくる気配がなかったので投函だけして去ろうとした時おじいさんの顔だけがすりガラス越しにヌッと出てきた。

一見なんの変哲もないように聞こえるのだが
おじいさんが顔を出したのは僕の膝より下
つまり通常ではありえない位置から顔が出てきた。

僕は変な物を見たと息を飲んだ。
しかし動揺が相手に伝わるとペースが飲まれてしまうと思い、なぜか僕はそのままお爺さんに話しかけた。
すりガラス越しなのでシワなどハッキリは見えないが位置的に不気味だったけど続けて話を進めていたら
スッと顔が引っ込んだ。あれは、なんだったんだろうと思い会社でそのことを同僚に話してその日は終わった。

それから数日後
また同じ現場だったので怖いもの見たさもあってその家の前を通ると、玄関のすりガラスに[売家]の看板が貼られていた。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?