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30歳目前、自分の原体験から令和の生き方を考える vol.3

ふいに言われて、納得してしまったという話


* * *


いつもよりちょっと背伸びしたランチタイム。
銀座の鮨屋で横に並び、熟成された赤身のマグロを楽しんでいるとき、二つ離れた席にいた佐藤さんは自信ありげに話し始めた。

「自分の希望はさ、周囲に言ったほうが叶う確率が上がるんだよね。」

凄く良く聞く言葉だし、あらゆる書籍にもそんなこと書いてあるな〜とそう思った。

「ねぇ、ちょっとそこの薬味とって」

そう言われ私は目の前にあった薬味を佐藤さんへ渡す。


「今、どうしてこれ取ってくれたの?」

「え、それは…とってって言われたので…」

「ほらね、とってほしいって希望、口に出して伝えたから自然と達成できてるでしょ」


これには思わず感心してしまう。


ある種、ただの屁理屈だと言われたらそうなんだけども、確かに「言葉にすることで伝わる」ということを体現している。


* * *


言霊の本性

私はといえば、それなりに自分の思い通りの人生を送ってきたな、といつも思っている。

スーパーポジティブなだけかもしれないし、アホすぎて嫌なことや思いどおりにならなかった過去を全て忘れているだけかもしれないけれど。


言葉で自分の気持ちを伝えることは、見方によってはワガママにも捉えられる。

受け入れられる言葉と、受け入れられない言葉は何が違うのか。


* * *

「どの曲にしますか?多数決で決めるので手をあげてください!」

中学校生活最後の合唱コンクール。クラスで自由曲を選択する機会があった。

「文化委員会」みたいな委員会に入っていた私は、事前に何曲かの候補をあげて、音楽の時間でクラスみんなに投票を依頼する立場だ。


だけどこの時、すでに私の中で「絶対にこの曲にすべきだ」、という決意がほぼ固まっていた。

それでも投票をして蓋をあけてみると、多数決で他の曲に決まりかけてしまう。

(いや、絶対にこの曲じゃない!あっちの曲にしないと後悔する。絶対にあの曲なら勝てる!)

そんな根拠もない自信(といいつつ理論武装できるくらいには根拠があった自信)を持っていた私は、断固として譲らない姿勢で意見した。(だったら投票制にするなよ、って話ではあるが。)

その曲でなければいけない理由、その曲をやり遂げることでどんな効果が出るか、他クラスとの差別化は何か、過去の先輩たちの傾向はどうか・・・・

(今思えばこの時からマーケター気質だったのだろうか笑)

とにかく、私の熱意と理屈に根負けしたクラスのみんなは、最終的に全員が賛同して私が推薦した曲を歌ってくれた。

───ちなみに、この時に歌った曲は「OH MY SOLDIER」。戦争を題材にしていて、歌詞も雰囲気もなかなか重い楽曲だった記憶がある。加えて、中学生が指揮するには難易度の高い変拍子(小節ごとにリズムが変わる)箇所もあり、加点を狙うにはうってつけだった!


今となっては、ただの我が強い中学生で恥ずかしい限りだけど、あの場の空気感だとかその後の練習の大変さだとか、本番を通して団結していくクラスの熱量とか、あれが全部原体験として残っているな、とはよく感じる。

(実際に、今でも自分の信念を伝える場面が訪れたときはいつも少しの恥ずかしさと同時にあの日あの音楽教室で見た風景が脳裏をよぎったりする。)


* * *

中学生の頃の体験は、「振り返ればそうだったな」程度ではあるけれど、私は何かにつけて自分の意見を口に出してしまうほうだとは思う。

よく、「どうして自分の好きなキャリアが歩めるんですか?どうやってキャリア選択してるんですか?」みたいな質問をされることがあるけど、それはまさに「やりたいことを周囲に伝えていただけ」でしかない。

誰もが自分のやりたいことを少なからず心に秘めているとは思うけれど、実際に口に出して伝えている人がどれくらいいるのか。

私は自分がコレは違うと思っていることを見て見ぬフリして前に進めることはできないし、ちょっと人より堪え性がない性格なのかもしれない。

(だから、むしろ違うと思いながらもそのキャリアを続けられる人のほうが我慢強くて凄いな、とは思うけれど!)

けど、その分その意思を通せるだけの努力はするし、「文句言わせないぞ」という気概は他の人よりも強いと自負してる。

とはいえ、これをやりすぎてしまうと、ただの頑固親父みたいな大人になりそうなので、最近はちょっとだけ奥ゆかしい自分を演じているけどね。


おまけ

前回、お休みしてしまった有料おまけコーナー!

今回はちょろっとだけ、報告を兼ねて書こうと思います。

※前回の有料noteはこちらの記事のおまけに。


先日、ついに設立メンバーが確定し、

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