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とよえつ

知人が豊川悦司が古い毛布を巻いて煉瓦のように積み上げた要塞に住んでいる夢をみたというので、豊川悦司のことをちょっと思い出した。


豊川氏とは、以前、近所のバーで隣り合わせになったことがある。カウンターの角を挟んで座っていたので、バーテンダーを介して、豊川氏らのグループと、私らのグループで会話がはずんだものだ。
私はまったく豊川氏に気がつかず、やけに座高が高い人という印象だけだった。彼らが「ロケバスがどうの」とか「カメリハがどうした」とか話していたので、豊川氏に聞いた。

わし「あ、テレビ関係の方なんですか?」。

なんとなく座の空気が固まったような、気がした。


トヨエツ 極めて普通に「ええ」。
わし「へーそうなんですかぁ」
そこで微妙な関西弁ニュアンスをかぎとった。
わし「あ、関西の方なんですね!」
トヨエツ「はい」。 (トヨエツは大阪出身)

その後、いろいろ話をして、だいぶんたってから、誰かが「豊川さん」と呼びかけたときに、「うげえええ!」と気がついたのだが、もうこうなりゃ知らんぷりするしかないやーん! 

最後までトヨエツを知らないバカを演じた夜。

そして座高が高い人と思っていたのだが、背も高い人だったということにも気がついた。


「パーラー永浜商店」より加筆転載。

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