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【FIRE夫の子育て】ベゾスが順番待ってたと思う?




ゴールデンウィークは弟家族と実家別荘で過ごしていた。


弟夫婦には小1の娘がいて、うちの4歳の息子と思う存分遊ばせたいというのもある。

ふたりで早起きしてアゲハ蝶を捕まえたり、「おいしいね!」って微笑み合いながらアイス食べたり、お風呂で姪っ子が息子の体を全部洗ってくれたり。
朝から晩まで楽しそうだ。


そんな麗しき従姉弟愛に目を細めていたある日のことである。

アスレチックに行った。

ふたりはキッズコースに挑戦することになったのだが、そこである場面があったのだ。


といっても珍しいシーンではない。


こっちの木からあっちの木へ足元のロープを渡る箇所があった。頭上に垂れ下がっている紐を辿りながらバランスをとって渡るのだが、なにせ足元のロープは1本なので何人も一緒に乗ってしまうと振動でゆらゆら揺れてしまう。

なので、だいたいみんな前の子が向こう側まで渡り切ってから自分が渡り始める、という流れになっていた。

暗黙のルールだったのか??インストラクターの方に言われたのか?息子も姪っ子も前の子が渡り切るのを待っている。


夫が口を開いたのはそれを見ていたときであった。


「なんかさー、○○ちゃん(息子)、ちゃんと順番待ってんじゃん?
なんか…いい子なんだよねえ。
複雑だよね」



???



えーとたぶん、何人も一緒に渡ったら危ないとかじゃないの?


「いやだからさ、空気読んで周りに合わせてちゃんとそれ守る子って、大人にとってのいい子じゃん?
社会に出たらそれじゃやってけないと思うんだよね」


どうやらまた、夫の拡大解釈&飛躍が始まったようだ。



「俺なんて小さい頃から(いわゆる)いい子だったし、まあ頭良かったから学級委員とか指揮者とかに勝手に任命されてたけど、そういう「大人から見ていい子」だったからこそ、いま俺は大して成功してないわけよ。


だってさ、孫正義が大人の言うことよく聞く子だったと思う?


ベゾスがちんたらしてるやつを大人しく待ってたと思う?


むしろ自分がやりたいことのためなら周りの言うことなんて無視して強行突破してたでしょ」



…うん、あなたベゾスの幼なじみでしたっけ?


「だから○○ちゃんには命の危険がない限りは、あれやっちゃダメこれやっちゃダメって言いたくないんだよね。
難しいからすごい葛藤あるけど」


そんな話をしていたときである。
タイミングよく(?)息子の後ろに並んでいた年上の男の子が、息子がまだ渡り始めたばかりなのにもう我先にとガンガン進んできたのだ。足元のロープは揺れまくり、息子は渡りにくそうである。


それを目ざとく見つけた夫は続けた。


「ほら、あーいう子なんだよ、世の中で幅きかせて成り上がっていくのは。
のろのろすんなよ、どけよっていう自分勝手なマインドのやつ。あーいうのが成功するんだよなー」




なるほど。


言いたいことはわからないでもないが、そもそもベゾスだって順番くらい待ってたでしょうよとは思う。

仮にもし自己中心的な行動をしてたとして、孫さんだってベゾスだって、たぶん親や学校の先生からいろいろ注意されて育ったんじゃないかなと思うのだ。

それでも彼らは言われても言われても言うこと聞かなくて、大人の目を掻い潜り続けて、気質上「大人にとっていい子じゃない」生き方しかできなかったんじゃないだろうか。
や、彼らの幼少期のこと1ミリも知らんけど。

人に言われて言うこと聞くような子なら、それは元々そういう子だったんだというだけな気がする。
いいとか悪いとかではなく。



「まあねー、けど複雑だよね、
親や先生の言う通りにいい子にしてたらその範疇でしか成功しないよね。
だから、○○ちゃんにはあんまり言うこと聞いて欲しくない気持ちもある」


夫は考えを巡らせているようであった。


その後、アスレチックが終わりみんなでランチをしに行ったときである。


ポケモンGOをやってみたい姪っ子に、息子はやり方を教えていた。

しかし本当は姪っ子に貸さずに自分でやりたい息子は、「お手本見せてあげるね!」と言って延々説明しながら一向にスマホを渡そうとしない。


私としては早く姪っ子にも貸してあげてほしいのだが…
と、ふと視界に入ってきた夫を見ると、なんと夫は満足そうな顔をして2人を見ているではないか。



これは…。



ゲーム貸したくない息子が説明するふりしてずっとポケモンGOをやり続けている状態(貸さないんじゃないから!お手本見せてるだけだから!ってポーズを見せながら)に、些細すぎる「ベゾス的自己中マインド」を見たのだろうか…。


そもそもあなたはベゾスを育てたかったのかい?という点はさておき、一筋縄ではいかないFIRE夫の子育ては、手探りで難解な茨の道なのであった。

※夫は小学生の時の学芸会?で担任の先生に指揮者を命じられたが、どうしてもやりたくなくて断ったようだ。
すると機嫌を損ねた先生は「じゃあ鍵盤ハーモニカね」と言い、1番人数の多い楽器にしてきたらしい。
歯向かう奴は許さない、当時の先生の独裁者っぷりすごい。


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