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クローザーが打たれた夜に

【試合結果】
9/15(水) 読売ジャイアンツ戦
●6-7x
[勝]デラロサ
[敗]三嶋


起きた事だけ書いてしまえばこれだけだ。

9回表に代打楠本のツーベースヒット、桑原の執念でもぎ取った内野安打、そして代走起用に応える神走塁&ヘッドスライディングで帰還した森がもぎ取った得点もあり、9回裏を2点リードの6-4で迎えた。

8回に投げた山﨑に代わって登板したのは、クローザーの三嶋。
継投とともに、スタメンマスクを被っていた伊藤光から強肩&最近の勝利に繋がるリードを見せている山本祐大に捕手も変わった。

7番、ハイネマンにセンターへのヒットを浴びる。
続く8番に代打若林、4球目のストレートを打ち損じファウルフライ。サードの宮崎が客席に手を伸ばしナイスキャッチ。
9番代打ウィーラーにストレートでフォアボール。

そして3年振りの一軍登録、今季初昇格の八百板にタイムリーヒットを打たれる。

スコアはこれで6-5。アウトカウントはひとつ。

ここで三浦監督が自ら言葉を掛けに駆け足でマウンドへ。
今シーズン二度目の光景。
基本的に投手に対して声掛けをするタイプではない番長。
バッテリー二人の目を見て何か言葉を掛けていた。
試合後の監督談話によると、「まだ負けていない、雰囲気に呑まれるな」と声を掛けたそうだ。

2番松原に4球目のフォークをうまく打たれ、満塁。
3番坂本、2球目の甘く入ったスライダーをレフトに抜けるヒットに。同点。

東京ドームの熱気はより一層高まる。
なんせサヨナラのチャンスだ。
そして打順は4番の岡本へ。
全くどういう巡り合わせなんだろうか。

岡本はフルカウントまで粘り、6球目のストレートをレフト奥まで運ぶ犠牲フライを放つ。
さっきの打席でプロ初打点を挙げた八百板がその喜びのままにヘッドスライディングで還り、6-7。

観客大歓声、試合終了。

起きたことだけ書いてしまえば、これだけだ。

三嶋の今シーズン通算防御率は、現段階で3.18。
21セーブを挙げ、K/BBは4.00、WHIPは1.35。

だが、対巨人戦の防御率は登板数11に対し「11.17」

成績として出されている数字を並べただけだ。

ルーキーイヤーに先発投手として活躍したのち、しばらく悩み迷うシーズンを過ごした。
先シーズン、長年クローザーを務めた山﨑の不調に際し9回の男として帰ってきた三嶋。
30歳になる年に自己最速の球速に磨き上げたストレートを引っさげ、セーブを重ねていった。

山﨑康晃を、ベイスターズを、そして私たちファンを救ってきた三嶋。

捕手のリードに関するセオリーも、ましてや投手、それもクローザーが一人マウンドに立つ心なんて完全に理解なんてできない、できそうもない。
今後の7回・8回・9回の「勝ちパターン継投」がどうなるかなんて、今はいったん置いておきたい。

三嶋を救えるのは、三嶋しかいない。

が、彼のその孤独を思うとこれ以上言葉を重ねられない。

クローザーは孤高で、孤独な存在だ。
そして遠くから見守るファンはただ祈るしかできない、なんとも笑えて悲しい生き物だ。

明日は試合がない。
そしてその後は10連戦が待っている。

打たれた日はなかなか眠れない、と以前何かのインタビューで三嶋が言っていた。

笑えて悲しい生き物である私は、ただ祈るほかできない。


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