あたくし、新しい職場に入って1年ほど経ちますの。幸いなことに、仕事内容も勤務条件も申し分ないホワイトな職場なんですけど、1つだけ難点がございましてね。トイレです。汚いとかそういうことじゃございません。そもそも建物自体がモダンな美術館のような広々とした会社ですの。だからトイレもそりゃ綺麗です。各個室には生理用品まで用意されてますわ。最新式のウォシュレット、人感センサー式で上下する蓋、肌触りのよいトイレットペーパー、清掃スタッフによる細やかな手入れ、と大変行き届いておりますのよ
子育てに正解はないとよく聞くけれど、それでも右往左往してしまうのが人間てもんではないだろうか。私も初めての育児では肩に力が入っていた。不安な気持ちを抱えつつも「この子をちゃんと育てなければ!」と鼻息が荒かった。 33歳で娘を出産。娘は健康そのもので産まれたのだが、生後2か月頃から頬に赤い湿疹ができ始めた。小児科で診てもらったところアトピーではないと言う。だが処方された軟膏を塗っても一向に良くならない。母乳育児だったので「もしかして私の母乳のせい?」という疑問が頭に浮かび
言葉は時代と共に変わる。 「神」「トラウマ」「癒し」という言葉は、現代では割と頻繁に耳にする。 “控えめに言って神” ”元カレの浮気がわりかしトラウマになってんだよね” ”今めっちゃ癒しが必要だわ” 私が子供の頃(1970~80年代)でこれらの言葉は日常で使われることがほぼなかった。 「トラウマ」なんて、言葉自体が存在してなかったと思う。 初めて聞いたのは中山美穂とキムタクが出演していた「眠れる森(1998年)」というドラマだったかな。 (このドラマはまじで面白かったが、
例のキャバ嬢からLINE来ないんだけど。 「飲み行きたいです。割と本気で言ってます!」とか言ってたけど、そんなもんよねぇええ。ちょっと普段会わない人種だったので、飲んでいろいろ話を聞いてみたかったな。 て、自分からもLINEしてないんだけどね。まあいいや。 前から思ってたんだけど、猫カフェてキャバクラみたいなもんじゃない? 以下、共通点をあげていこう。 ・普段は会えないような子に会える うちは保護猫の雑種2匹だから、長毛種とか純血種の猫ちゃんを見るとテンション上がる。色柄
昨日、同級生のおっさん2人と飲みに行った。 二次会でキャバクラに連れて行ってもらったんだが、これが予想外に楽しかった。 「つまんなかったら一時間で帰ろう」と言ってたのに2回延長w 友達も酔って気が大きくなってるから、財布のひもが緩い緩い。 こういうおやじチョロいな。気分よくさせたら、金払いがいいんだから。 男の人はいいよなぁ。こういう遊び場が各種あって好みによって選べるんだから。女の人はホストクラブかボーイズバー、マッスルバーくらい? なかなかキャバ嬢と話す機会なんて、ア
急に思い出した人のことを書こうと思う。 大学4年の頃、私はある英会話教室の受付でバイトをしていた。 そこに同じバイトとして入ってきたAさん。 私と同い年くらいの女性だった。 大学生ではなかった気がする。 多分、フリーターのような感じでアルバイトを渡り歩いてる雰囲気だった。 色白で、ウェーブした茶髪のミディアムヘア。わりとガッシリした体格。 受け答えも最低限で、明るく元気いっぱい!みたいなタイプではない。 でもこのAさん、すごく人懐こいのだ。 彼女がシフトに入ったあと、ほぼ
先日、買い物へ行くために商店街を歩いていたら元カレとすれ違った。 マスクしてたけど、たぶん、いや絶対に本人。 テイクアウトの店先で店員と会話していた。 彼を見た途端にまず脳が認識して「あっ!」と思った。 あっ!て何? → あ、〇〇だ… という順で分かった。面白いよなぁ。 彼の全体像というか全身のフォルムとかオーラとかそういうのがデータとして脳に残ってるんだろう。 だから一致した瞬間、誰かは分からなくても「一致しました」ていう結果だけが脳PCのスクリーンに先に表示される。 そこ
人は生まれる前にカリキュラムを組んでくると聞いたことがある。 だけど生まれるとすべて忘れる。 どんなゲームシステムだよっ!て思うけど。 周りを見てると、人によって人生の履修科目が違うんだなと思う。たとえば「恋愛」「結婚」ていう科目を選ばなかった人たちがいると思うのだ。同級生で昔から恋愛にまったく興味のない子がいる。若い時から惚れた腫れたも聞かないし、好きな人ができたという報告も一度もない。普通に可愛いし、頭脳優秀で性格も面白く、料理もできる子だ。結婚したらさぞや良妻賢母にな
マヌルネコは毛繕いを始めた。 普通の猫みたいに前脚で顔を洗っている。 「わしも元は人間だったんじゃ。 死後、この種類の猫になぜか入り込んだ。 その個体が死ぬと次の個体へ。 大体は子供の個体に移ってきた。 この個体には8年くらいかのう。 父親がこの国に移送されたので、わしもここへ来た」 「じゃあ、前はどこの国に?」 「唐と呼ばれる国じゃ」 「唐?! それってすごい前ですよ。えーっと、ざっと1200年くらい」 「そうか」 「人間の時はどんな仕事をしてたんです?」 「役人じゃよ。
無料の娯楽を浴び続ける僕らは どこへ行くんだろう ひたすらコンテンツを消費する享楽乞食と化すのかもしれないね 多様性を否定する多様性すら否定されてることに気づかぬまま 風の時代とか言われてふわふわ自我だけが肥大するのかもしれないね
夢の中で夫と民宿に来ていた。 そこは私たちの定宿なのだが、なにかの理由で泊まるのは今回が最後だった。 家族経営で、適度に客を放っておいてくれる良い宿だ。押さえるべきところはキチンと押さえてくれる。その家庭的雰囲気も誰かの家に泊めてもらってるような親密さがあって私たちは気に入っていた。 民宿をやってる家族には小学校1年生くらいの息子がいた。 その子が夜、部屋に遊びに来たので「ここに泊まるの今日が最後なんだ」と告げた。 男の子は一瞬寂しそうな表情を見せたかと思うと、さっと部屋
ある雨の日、僕は上野動物園にいた。 なんとなく頭が痛くて、会社を半分仮病で休んだ。 一人暮らしの散らかった部屋にいても気が滅入る。ずっとスマホを見てるくらいなら何かしようと思い立った。雨なのに、なぜ動物園に行こうと思ったのか分からない。彼女と幸せだった頃、上野動物園でのデートが楽しかったからかもしれない。 付き合って1年半、僕らの仲はすっかり醒めてる。僕の気持ちは変わらないのだけど、彼女がそっけないのだ。 「具合悪くて会社を休んだ」とLINEしたところで、「大丈夫?無理しな
唐突に下ネタに突入する。 両胸両乳首を切除した後でもセックスはできるのか? もちろんできる。安心して取り組んでほしい(笑)。 作家のアルテイシアさんは子宮全摘しているが「子宮がなくてもびっしょびしょ!」と断言しておられた。 私も言っておこう。 乳首がなくてもびっしよびしょ! という身も蓋もない結論だけでは仕方ないので、いくつか気づいた点を書こう。 いたしたのは確か術後1ヶ月半くらいだったと思う。 まだエキスパンダーの違和感も痛みもバリバリあったけど、私は肌の温もりを欲し
乳がんと診断されてから読んだ本の中でおすすめを二冊。 どちらも体験談として大変参考になった。 ・「我がおっぱいに未練なし」川崎貴子 社長としてバリバリ働いてる川崎さんの体験談。 診断から再建直後くらいまでが綴られている。 彼女の名前はAV監督の二村ヒトシさんとの共著で知っていた。 モテと非モテの境界線 AV監督と女社長の恋愛相談 こちらも面白いので興味ある方はぜひ。 非モテ男性に2人がアドバイスするのだが、川崎さんバッサバッサと相談男性を斬っていくので痛快だ。 ・
昨年の6月、乳がんの手術をした。 50歳にして初めての手術は、両胸全摘および乳房再建用の土台挿入で計10時間に及んだ。 目が覚めたら激痛。 そして酸素やらカテーテルやらで身動きできない自分の状態に軽くパニックになった。 ともかく土台として入れたエキスパンダーが痛くてたまらない。 エキスパンダーとは、シリコン挿入前に皮膚を伸ばすため、大胸筋下に入れる各200cc程度の生理食塩水が入ったシリコンの袋だ。 両胸全摘の痛みもあったはずだが、そんなもんなんでもないわてくらいエキスパ
1番古い記憶は赤ちゃんの時だ。 仰向けのままだったから寝返り前だろう。 私はベビーベッドに寝かされていて母親が上から話しかけている。 「ママは○○だから、ちょっと待っててね」と優しく微笑んでる。 その笑顔のまま、ふすまを閉めて出ていってしまう。 私は心細くなって、行かないでほしいと強く願うがもちろん何もできない。 一体いつ戻ってきてくれるのか。 待つしかないというもどかしさ。 仕方なく頭上を見るとベビー用のモビールみたいなものがぶら下がっている。 オルゴールが鳴ってクル