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[上高地]一生に一度は行きたい絶景の宝庫|写真25枚

新宿から上高地へ

2023年8月10日(木曜日)
連日の台風襲来で崩れがちだった天気のわずかな晴れ間と、お盆の間隙を縫って急遽上高地旅行を決行した。上高地に行くならやっぱり晴れが良かったのだ。

新宿22:00発の高速バスで上高地に向かう。
3列シートの座席はゆったりとして快適だったが熟睡には至らず、一、二時間うつらうつらしただけの寝不足の頭で上高地に降り立った。

日付変わって11日の朝5時30分。真夏といえど標高1,500mの朝は寒く、ウィンドブレーカーを着てきて正解だった。ちなみに《大正池前》でバスを降りたのは私たちだけ。他の乗客たちはもっと先の本格的な登山に向かうのだろう。大正池から明神池までのトレッキングコースは"初心者コース"なのだ。

大正池〜河童橋(約40分)

出発前に買っておいた菓子パンをむしゃむしゃ食べ(これは全然足りなかった)、私たちはリュックを背負って歩き出した。すぐに蒼暗い薄闇の向こうに青々と沈む《大正池》が見えてきた。

大正池

焼岳と大正池

水面を覆う靄は何もかもを眠らせる魔法のようで、大正池はまだ深い眠りの中にあるらしかった。その静謐さに私はいきなり心打たれてしまった。現代人は静寂に飢えている。

大正時代に噴火した焼岳の溶岩が梓川を堰き止め、一夜にして大正池が生まれた

大正池から河童橋へ向かう林道を歩く。ほどよく冷やされた空気に木々が発散するフィトンチットが溶け込んでいる。川が音もなく流れているのには驚いた。なめらかな水面は本当に静かで水音ひとつしないのだ。

大正池から田代湿原に至る林道

私は信仰心をあまり持ち合わせていない人間だけど(ごく一般的な日本人レベルだ)、早朝の上高地には何か感じるものがあった。昔は山岳信仰というものがあったのも頷ける。

何だか不思議とそわそわするのだが、嫌な感じは全くしない。またあの心地よい"そわそわ"を味わいたいと思っている。あれは早朝だけの特別な体験だった。

田代湿原

林道を抜けた先には《田代湿原》が広がっていた。いちめん緑の向こうの立ち枯れの木が印象的。こんな景色が自然に維持されているのが驚きだ。

田代湿原

すぐそばに《田代池》というステキな池があるので、そちらもぜひ立ち寄ってみて欲しい。どこからともなく流れてきた清流が静かに地面を濡らしてる、そんな情緒溢れる池だった。

どことなく西洋の絵画のような田代池
田代池のマガモたち

途中、梓川コースか林間コースに道が分かれるので梓川コースを選択。時刻は7時。雲の切れ間から日光が音もなく注ぐと、周囲はかがやきの粉を散らしたかのようにりんりんと光った。

抜群に空気が透明な上高地、まっすぐ落ちてきた日光が水面や葉の上で弾ける

河童橋〜明神池(約1時間)

8時に河童橋に到着。
40分のコースに2時間半ほど掛かっているが、撮影しながらの山歩きなので時間が掛かる…にしても遅すぎだろうか?

河童橋

河童橋の向こうの空に荒々しい岩の稜線を覗かせているのが《穂高岳》。緑の斜面が美しい。この日は景色がとてもはっきり見えた。

穂高岳は日本で3番目に高い山

河童橋の周辺には食事処があり、早朝から多くの人で賑わっていた。私たちもここでお弁当を食べてから明神池に向かった。

明神池までのルートは《梓川右岸コース》と《梓川左岸コース》の2つあるが、ここは《岳沢湿原》を通る《梓川右岸コース》をオススメする。

岳沢湿原

梓川右岸ルートはとにかく気持ちの良い道だった。歩いていると喜びが胸にもくもくと湧いてくる。岳沢湿原の風景は特に素晴らしく、その不思議な水の色合いは水底にイリドスミンの鉱床が広がっているかのようだ。

岳沢湿原
 遊歩道の真ん中にぽつんと現れたオコジョ
想像してたより小さい

途中クマのものらしき糞を見つけたり(しかも新しい)、猿とすれ違ったり、上高地の自然を満喫できるルートだ。

湧き水は氷のように冷たい

明神池

12時に《明神池》に到着。
この日はとても混んでいて、池の前には行列が出来ていた。拝観料500円を払って列に並ぶ。水面に伸びた足場の先に賽銭箱が置かれていて、ひとりひとり順番に参拝する。衆人環視の中でのお参りはちょっと恥ずかしい。

明神池
明神二ノ池も盆栽のようで美しい

明神池のそばに囲炉裏で焼いたイワナを食べれる食事処があって、席が空くのを待っていたら(ちょうど昼時で混んでいた)私たちのYouTubeチャンネルの観てくれているご夫婦に声を掛けられ、お昼をご一緒させてもらうことに。とても感じの良い方達で、いろんな話が出来て楽しかった。

上高地バスターミナル

15時《梓川左岸コース》で河童橋まで戻ってきた。上高地初心者コースは子供でも歩ける平坦な道だが、私の脚はもうガクガク。足首がもげそうなくらい痛い(前日運動したせいかもしれない)。

そんなわけだから河童橋で食べた《上高地ソフトクリーム(500円)》は最高に美味しかった。心地よい甘さが疲弊した脳と身体に沁みわたる〜。

その後は写真を撮ったりしてバスまでの時間を過ごした。帰りのバスが出る《上高地バスターミナル》は河童橋から歩いて5分ほど。

トリカブト / 季節の植物を調べて探してみるのも楽しい

16:10発のバスで私たちは上高地を後にした。新宿に着いたのが21時。かなり弾丸気味の日帰り旅行だが、上高地の自然を十分満喫できた1日だった。

動画撮影に使用したカメラ⇣

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上高地コレクション

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