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ピアノが弾ける≠伴奏ができる

学校で合唱やる時って、ピアノが弾ける子が伴奏をすることが多いですよね。あれって、実は、よくあるクラシックが弾けるだけではできないんですよ……!
(伴奏のみだけど)久しぶりにやってみたよ……!


ソロと伴奏は全く違うのだ。

ソロ、つまり一人。
誰かに合わせる必要性、一切なし。

伴奏、つまり複数人。
周りに合わせる必要性、大いにあり。

当たり前すぎることだが、これが難しいワケなのだ!


結論だけ先に言うと、
難しい部分ほど目立たない。

「友~旅立ちの時~」

イントロやアウトロは歌がなくて、伴奏者としてはおいしいところ。
出だしの雰囲気づくりは重要。歌がメインなのに、全部丸投げされてますけど。最後も、歌を壊さずいい雰囲気のまま終わることは重要。全部丸投げされてますけど。
ただし、イントロに関して。
歌が入る少し前からバチバチにカウント取らないと、歌の皆様がやりづらいことこの上ないです。曲に浸ってたら2ランクダウンですよ、絶対アカンだから。←伴奏者格付けチェック合唱コンクールスペシャル

そして歌がメロディーの時は、といってもほぼ歌がメロディーなんだが、永遠にバチバチにカウントを取り続けること。乱れてしまうと、合唱の皆様も指揮者も困り果てます。しかし、しっとりした曲の場合、リズムを強調しすぎるとメロディ―をぶち壊しかねない。
これ、意外と難しい。

AメロとBメロの間とか、ちょこっとだけ歌が無い部分がある。
そこ、誰も意識して聴いてくれないけど、伴奏者としては気合入れてキメるところです。誰も意識してくれないけど。
合唱隊は自分が歌うためには聴かなきゃいけないので聴いてくれてると思う。それは入りのタイミングを合わせるためであって、曲全体を通して見ると全く重要じゃない。

私はこれを中3の時に歌った、いや、弾きました。
クラス合唱ですが、やたら細けえ……やりづらっっ…………


カンタータ「土の歌」より「大地讃頌」

中3の時、合唱コンクールの学年合唱で歌った、いや、弾きました。
この曲、はっきり言って、めっちゃしんどい。

そもそもこれは「混声合唱とオーケストラのためのカンタータ」である。えっ⁉
本来は大所帯のオケがやることをピアノひとりでやるのか。ヒェェェ……

当時の楽譜を引っ張り出してきて、またやってみた↓

やたら右手が難しいけど、こっちじゃなくて左手の方が大事。だって、いわゆるベースみたいなものだから。これ、伴奏の鉄則。
しょっぱなをデデンとキメて歌が入りやすいように。これ、伴奏の仕事。
Grandioso(雄大に、堂々と、威厳のあるという意味のイタリア語)な音を出さねばならない。これを忘れてはならない。

そして、来た~~ソロ~~~!!!!
美味しいけど責任もエグい。
これは歌がみんなでやってることをピアノのみで再現するイメージ、かな。
「かんしゃ~~せよ~~~」と全力でお膳立てしてくれているので、しっかり受け取りましょう。
まァ「かんしゃ~~せよ~~~」を歌いやすいように支えてるのは伴奏なんですけど。
全部8分音符で刻むように書かれてるけど、これは全部しっかり弾くものではない。歌になぞらえるなら、右手はソプラノのメロディ―を小指で響かせながら、ずっとやってきた和音の伴奏もやります。左手はずっとやってきたベースで、変わりません。
左にメロディーが移る時、ソプラノ風の右手小指のメロディ―を綺麗に締めつつ次に繋げていく。男声のユニゾンっぽいメロディーをガンガン弾きながら伴奏っぽいこともして、そしてまたメロディーが右に戻って、ちゃんと丁寧に合唱隊に引き継ぎましょう。

次のところは強弱記号では弱めになってるけど、ほんとに弱くすると歌を支えきれません。弱く弾いてるっぽい音色で、音量はそれなりに出しましょう。

クレッシェンドのあとは、
・左手→男声とハモる
・右手→女声とハモりつつ8分音符を刻み続ける
→あくまでも伴奏として。
「たたえよたたえよ土を~」のところをひとりで練習してるとたっぷり弾きたくなるけど、そんなことしたら合唱と指揮を困らせます。絶対アカンです。←伴奏者格付けチェック合唱コンクールスペシャル

次にまた弱くなるけど、やはり弱そうな音色でそれなりに出さないと支えきれない。
最後のフォルテフォルティッシモは、もうね、やるしかないです。拒否権はない。

さて、こんな役をやりたい者などおそらく皆無。
ってことはない。
キマると超絶気持ちいいということを知っていると、沼にはまってしまうのさ。私だって自ら立候補したから。
当時の私の演奏、ビデオを振り返ってみたら完全に歌に負けてて、なんだか申し訳ない気持ちになった。


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