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セクシャリティ

 2020年11月22日。高校二年生の秋。

 自分自身を言葉という形にして残していきたいと思い、noteを書き始めました。初めての投稿となる今回、まずは書こうと思うきっかけになった、自分のセクシャリティについてお話ししようと思います。

 セクシャリティについてお話しするうえで記しておかなければならない注意がふたつあります。

 一つ目は、アイデンティティの否定をしないこと。セクシャリティは個人の大切な個性の一つであり、また個性の一つにすぎません。セクシャリティが個人のすべてを表すことは決してありません。しかし、同時に大切な個性です。なので、「自分と違うから」「普通じゃない」「気持ち悪い」と、自分の物差しで人を見て、他人のセクシャリティを否定したり、蔑むことだけは決してしないでください。

 二つ目は、アウティングについてです。アウティングとは、他者のセクシャリティを許可なく他人に話すこと、言いふらすことを意味します。カミングアウトは自らがセクシャリティを公開することですが、これを許可なく他人が行うアウティングは非常に危険で時に暴力的な行為です。実際にアウティングをされて自殺に追い込まれてしまった人もいます。セクシャリティを誰かに話すカミングアウトは、するもしないも、そのタイミングも個人の自由です。アウティングは、絶対にしないでください。

 以上をご理解いただけたでしょうか。それでは、私についてお話します。

 私は今、シスジェンダー(cisgender)・ノンバイナリー(non-binary)・バイセクシャル(bisexual)・アロマンティック(aromantic)、というセクシャリティを生きています。そして、私を含むLGBTQ+の人を理解し、協力する姿勢を示すアライ(Ally)でもあります。

 シスジェンダーとは、生まれながらの生物学的/身体的性と自認している性が一致している人のことを言います。私は女性として生まれ、自分は女性であると自認しているのでこれにあたります。対義語はトランスジェンダーといって、先述の逆にあたる人たちのことを言います。今はFtM(Female to Male:女性の身体的性で生まれ男性の性自認を持つ人)、MtF(Male to Female:男性の身体的性で生まれ、女性の性自認を持つ人)、またはXジェンダー(性自認を男性とも女性とも定めていない人)、クィア(性自認があやふやでよくわからない人)のように言い、様々な性自認の仕方があります。

 ノンバイナリーとは、自らの性的表現において男女の境界を示さない人のことを言います。例えば服装や口調などで、いわゆる男性らしい、女性らしい、に当てはめることなく自分を象りたい人です。性自認に境界を示さないことも入りますが、私は女性を自認しているので「半分くらいノンバイナリー」、と言うのが正解かも知れません。

 バイセクシャル。これは知っている人も多いのではないでしょうか。異性も同性も恋愛対象として愛せる人のことです……といっても、よくわからないのですが、その理由はこの次のアロマンティックの説明を読んでみればわかっていただけるかも知れません。

 アロマンティックについて。アロマンティックは、他人に対し性的欲求を抱くことはありますが、恋愛感情を抱かない人のことを言います。アセクシャルと混同されがちですが、違うのは、アセクシャルが他人に恋愛感情も性的欲求もい高ないセクシャリティであることに対し、アロマンティックは他人に性的魅力や欲求を感じることはあるものの、恋愛感情を抱かないセクシャリティであるということです。かなりマイノリティのセクシャリティみたいです。

 私は、覚えている限り、誰かを恋愛対象として見たことがありません。恋愛が何かもよくわからないし、どういう物かもわかりません。バイセクシャルの説明の際に、「よくわからない」と書いたのは私がバイセクシャルでありながら他人に恋愛感情を抱かないアロマンティックでもあるからです。

 趣味程度に、たまに創作もしくは二次創作の異性愛・同性愛を問わない小説を書いたりしますが、常に物足りず、何が不足しているのかとよくよく考えてると、それは恋愛感情でした。恋愛漫画を読んでも、小説を読んでも、微笑ましかったり恋路を応援したりはするのですが、自分を当てはめることができませんでした。愛情ならわかっていると思います。たぶん。人を、なにかを愛することはとても美しく、優しく暖かなものだと思っています。また、それを文字にして表現することもできなくはないのです。でも、恋愛感情となるとうまくいきません。ありきたりな文章になってしまって、読み返してはその拙さと理解のしづらさに首を傾げました。

 そして、友人と話しているときにも疑問を感じました。「恋したい」「彼氏欲しい」そう言った言葉を聞くたびに全くと言っていいほど同意できず、何がいいのか全然わかりませんでした。「別に恋人欲しくない」「結婚しないかもしれない」そう言うと、大抵の場合返ってくるのは「そんなこと言う人ほど早く結婚するって」という言葉。その場はそうかな?と笑って流しましたが、わからないものはわからない、と内心少し面倒くさくなっていました。とはいえ、私の友人たちはとても良い子ばかりです。「恋がしたい」と歌うように言って笑う可愛い大切な友人たちには、優しく明るい未来を願っています。幸せになってほしい。でも、私にはその気持ちがわからないのです。恋をするって何?恋は、結婚は、必要なのでしょうか?

 そんな疑問を抱えていた時、anone.meという無料のセクシャリティ診断サイトを見つけました。試してみた結果、自分のなかにすっきりと構成要素としてのセクシャリティが入ってきました。このサイトは個人情報も費用も一切必要なく、ただ質問に答えるだけで自動的に診断してくれます。私の、自分に対する不明瞭な自己認識は、この診断結果によってかなり透明なものになりました。「自分はこういう人間なんだ。別に恋愛が分からなくてもいいし、する必要もないんだな。」そう思えました。よくわからない事柄も、しっかりと言葉にされると、人は安心するものだなあと思いました。

 これらのセクシャリティは、私のジェンダーにおける一構成要素ですから、これから変わることもあるかもしれません。上記は、高校二年生の秋現在の私を、今言葉にできる範囲で当てはめてみたまでです。変化があれば、それもまた記すことになると思います。

 初めての投稿が長々と自分語りのようになってしまいましたが、このnoteでは、セクシャリティに関することだけでなく、今この時を生きる私がどんな人間で、社会に対し何を考え、望み、もしくは私自身が社会に対し何ができるのかを整理して明確にしながら、言葉にして紡いでいきたいと思っています。

*セクシャリティに関する認識で誤りや訂正等ございましたら教えていただけると嬉しいです。

                            Mai

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