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あのこは貴族。(続)

前編に登場した、前任のレジデントの先生。
彼女もまた、貴族だった。

御父上は国立病院のお偉いさん。
幼少期からお嬢様学校。
現役で一番高額な私立医大に進学。
そしてその美貌とスタイルで、モデルのバイト。
天は二物どころか、いくつ与えているのかねぇ…

彼女は御父上と同じ医局(旧帝大の内科)に入局され、大学院もきっちり卒業。そしてこれまたエリート医師と結婚され、子宝にも恵まれ、ブランド病院で仕事も続けている。結婚式の写真では、式場のパンフレットですか?と聞きたくなるような長身の美男美女が豪華な衣装に身を包んで微笑んでいた。

ただなぁ…ご本人の努力は勿論のことだけど、それだけではないよなと思う所もある。
彼女の同期は、ペイが悪い上に忙しさが極悪な当直バイトに、上司である御父上から彼女の代わりに行くように頼まれたと聞いた。ただでさえクソ忙しい、残業代もロクに出ない某国立病院で働いてる上に、何の罰ゲームだよと思いつつも、上司の頼みでは断れるはずもなく、代わりに行っていたと聞いた。
研究にしても、どの程度までご自身で実際に実験したのか…その教室では実験補助の職員さんにも恵まれている。実際に手を動かさなくても、結果のみ解析して、実質ボスが論文を書くなんて噂もよく聞いたものだ。

貴族は生まれた時から貴族で、忖度されて、どこまでも欲しいものを手に入れていくんだなぁ…
一般庶民の私は、今日もクソ田舎の場末の病院で、あふれる外来が終わるのはおやつの時間。昼ご飯をテキトーにかっこんで、その後病棟にダッシュ。まぁ、自分みたいな人間が働けて、世の男性よりも高給をいただけるだけありがたいけどね。足るを知る、を忘れずに。

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