見出し画像

「子どもの目」

私、マンガってあんまり読まなくて、少年時代もテレビっ子だったんで週刊誌とか単行本に1円も落とさなかったんですが、大人になってから折に触れて読むようにしているわけですね。で、そんな中で連載を追っかけて読んできた数少ないマンガ「Sunny」が10月に終わったんで、遅ればせながら年末に読み終えたわけです。

様々な事情で親と暮らせなくなった少年少女がともに暮らす施設「星の子学園」の毎日を描いた作品で。

松本大洋さんの目がほしい、とピンポンを読んだ時も思ったけど、Sunnyはそれよりもすさまじい目を発揮されている。「子どもの目」。どうしてこんなに、この人は子どもの目から世の中がどのように映っていたかを、覚えているんだろうか。いちいちこそばゆいというか、恥ずかし懐かしい小学生だった頃の、今思えばちっぽけに感じてしまうようなことに一生懸命だった感情や、意地だけで引っ込みがつかなくなって大親友と険悪になってしまった感情や、理屈ではなくなんだか楽しくなってしまって全力疾走したあの感情や。すべてがなんでこんなに刺さるんだっていう。

あれはちっぽけでも意地だけだったわけでも理屈がなかったわけでもなくて、あの頃の自分にとってのすべての全力の真実で、そこに戻れる松本大洋が本当に恐ろしいと思うわけです。子どもを「子ども」って相対化していないあの書きっぷり。

おススメです。ピンポンももっかい読も。
「いまさらでもいいから読むべき」っていうマンガを、マンガ後進人の私に誰か教えてください、っていうメモ。

サポートありがとうございます! 今後の記事への要望や「こんなの書いて!」などあればコメント欄で教えていただけると幸いです!