[連載小説]ギルティア王国大戦記 第13話

「邪魔なチームのせいで侵略が一向に進まないな。」

シンは憤りと焦りを募らせていた。

異世界東部・ラメーン国

ロートがヒッポグリフを倒し、領土を拡大した。

それからチーム・ロートは次の国へ移動した。

異世界東部・エンゼル国

チーム・ロートが降り立った。

エンゼル国はクライが作戦を実行しており、すでにクライの配下・フレスベルグ軍曹が拠点を構えていた。

そこに、シロガネもいた。

「戦士団を失ってからというもの、ここは著しく衰退したな。」

シロガネは荒廃した故郷を嘆いていた。

エンゼル国で生まれ育ったシロガネは、国を守る戦士団に憧れ、自らも入隊するべく鍛練を積んでいた。

しかしある時、戦士団は全滅した。

何者かが放った幻術により、戦士団は同士討ちさせられたのだ。

シロガネは戦士団を壊滅させた張本人を探し出すため、ギルティア王国に潜入した。

そして永きに渡る調査の末、その張本人がクライであることを見抜いた。

あとはクライを倒し復讐を果たすのみ。

そう考えた矢先にクライがエンゼル国侵略に乗り出したというのは皮肉と言う他ない。

「あのときはブラウに邪魔されたけど、今度は我が領土にしてくれる。」

クライは燃えていた。

ちなみにブラウはクライを退けたものの、エンゼル国の荒廃ぶりに萎えて、領土にすることをやめたらしい。

シロガネは優駿に近づくと、クライが侵略作戦を開始したことを話した。

アイリスと貴斗は身構えたが、優駿はシロガネに興味を持った。

そして、優駿はシロガネの過去を知った。

「この国のためにクライは止める。でもお前の復讐に協力するつもりはない。」

優駿はシロガネとの共闘を受け入れつつも、復讐には加担しない意志を示した。

フレスベルグは死霊を操る能力で、戦士団の死霊を繰り出し攻撃した。

シロガネは一瞬迷った隙に、毒を盛られてしまった。

優駿は戦いをヘラクレスたちに任せ、シロガネの回復に努めた。

「優駿。ヤツは見ていて飽きないな。ますます味方にしたくなったぜ。」

クライの作戦を見守っていたギルティアは、より一層優駿に興味を示した。

「彼ならあるいは、私の覇道の助けになるかもしれない…。」

メザイアは呟いたが、その真意はギルティアを含め、誰も知る由もなかった…。

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