[連載小説]ギルティア王国大戦記 第2話

「僕たちの世界は、今戦ったギルティア王国に侵略されつつあるのです。世界を守るには協力してギルティア王国を倒すしかないのです!」

ヘラクレスから説明を受けた優駿は納得した。

一方でアイリスと貴斗はあっけにとられるばかりだった。

優駿は実際にヘラクレスと一体化し、ロートとなって戦ったからこそ理解も早かったのだろう。

優駿はヘラクレスと共に戦うことに迷いはなかった。

もともと困った人を見ると放っておけない性分なのだ。

その日の夜、優駿はどうすれば元の世界に帰れるかを考えていた。

正確には、どうすればアイリスと貴斗を元の世界に帰せるかを考えていた。

そのとき、優駿は何者かに声をかけられた。

「優駿、俺の部下になれば、元の世界に帰る方法を教えてやる。」

そう告げたのは優駿の幼なじみ・空野大地(そらの・だいち)である。

「よう大地、お前もこっちに来てたんだな。」

優駿はフランクに話すと、本題に入った。

「俺はいいからさ、アイと先輩を帰してやってよ。ま、お前が帰る方法とやらをホントに知ってればの話だけど。」

優駿と大地のやりとりの一方、ギルティア王国・王都ギルポリスの王宮では、王国幹部が集まっていた。

「極東の小国を落とすなどたやすいと思っていたのだが、まさかロートが現れるとは…。」

王国幹部一の武闘派・炎大将シン(ほのおたいしょう・しん)が唇を噛んでいると、

「貴様の見込みが甘かっただけだろう。」

と、王国幹部一の頭脳派・雷大将ブラム(かみなりたいしょう・ぶらむ)が厳しい一言を述べた。

「ならば我が配下・マンティコアを送るだけだ。」

シンの指示を受け、マンティコア軍曹がヘラクレスたちの小国へ進軍開始した。

一部始終を見ていた王国幹部一の技巧派・水大将クライ(みずたいしょう・くらい)は、

「あんな小さな国のために軍曹を送るなんて(笑)」

と小馬鹿にした。

すると、

「ロートは侮れないわ。いずれ我らの絶対王を脅かす存在になる。」

そういって諫める者がいた。

彼女こそ、王国の妃・絶対妃メザイア(ぜったいひ・めざいあ)である。

翌日、優駿の前にマンティコアが現れた。

多数のユーザイ兵を率いるマンティコアに対し、優駿はロートに変身するだけでなく、ヘラクレスの仲間を引き連れた。

ロートは仲間の一人である、プリチーなタマムシの姿をしたスカラベと融合した。

結果、ロートは第一形態・ユナイト1(ワン)から第二形態・ユナイト2(ツー)に進化した。

ユナイト2の力は凄まじく、パワーファイトでマンティコアを倒した。

「やはりヤツは使えるな。」

戦いの一部始終を見ていた大地は呟いた…。

そしてヘラクレスたちのすむ小国・フォレスティアを守った優駿には、新たな国への道のりが示された。

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