三千世界覇王グローブ 第7話

俺--世良快里--は目撃した。

優馬クンが長田先生に呼び出される様を。

俺の知る限り、優馬クンは成績も素行も優秀で、教師に目を付けられることはない。

俺は何となく、不穏な気配を感じていた…。

俺--立浪優馬--は長田春子に呼び出された。

「グローブの適合レベルが上がったというのは本当なのスレイプニル?」

「その呼び方は控えて下さいフレスベルグ。」

「いいから質問に答えなさい。」

俺は質問に答えるより先に、騎馬スレイプニルに変身した。

そして長田春子を攻撃した。

長田春子は鶴騎フレスベルグに変身し応戦した。

「なんのつもりスレイプニル?」

「アンタのこと嫌いだし感情エネルギー渡したくないし、死んでもらうのが手っ取り早いかなって。」

言葉と拳の応酬が激しくなったとき、バジリスクが現れた。

「それまでだ二人とも。スレイプニル、感情エネルギー山分けの約束は守ってもらうよ。」

俺は変身を解いた。

そのまま舌打ちしながら去っていった。

あの二人は「何なのアイツ!」とか「若いんだからしょうがない。」とか噂してた気がするが、正直よく聞いていない。

アイツらが感情エネルギーを独占するつもりなのは間違いない。

だから早い段階で殺しておきたい。

俺の目的のためには…。

翌日、俺はいつものように登校し、何事もなかったように長田春子と接し、世良快里と接した。

フレスベルグやバジリスクを倒そうと思ったら、グローブは仲間にしておきたい。

正直世良快里のことは大っ嫌いだ。

あんな陰キャと同じ空気を吸うだけで吐き気がする。

でもグローブは仲間にしたいから、彼の望む「親友」を演じている。

当面は手当たり次第人間をドール怪人にするつもりだ。

そうすれば感情エネルギーが集まるかグローブの適合レベルが上がる。

どう転んでも俺にはメリットしかない。

そして今日は、同じクラスの陰キャをモールドールにした。

モール(=モグラ)か、日陰者のアイツにはお似合いだな。

こいつは普通に感情エネルギーを集めそうだから、グローブに倒してもらうか…。

俺--世良快里--はモールドールに遭遇した。

すぐにグローブに変身したけど、相手の地中に潜る能力に苦戦した。

モールドールが周囲に被害を及ぼし始めたとき、恩田心が人々を避難させた。

「何やってんだ早く逃げろ!」

俺が叫ぶと

「アナタのためにアタシは自分の出来ることをする!」

恩田心は力強く答えた。

恩田心を助けたい。

そう強く望んだとき、俺の元に紫の人形・メタルフィギュアが現れた。

俺はグローブ・メタルに変身すると、大地を揺らしてモールドールを引きずり出し、倒した。

「ありがとう。おかげで新しい力を手に入れたよ。」

「お礼を言うのはアタシの方だよ。ありがとう快里クン。」

「ところで素朴な疑問なんだけど、恩田さんはどうして俺を好きになったの?」

俺の唐突な質問に、恩田心はどう答えるのだろうか…。

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