三千世界覇王グローブ 第4話

俺--世良快里--は瞬時に理解した。

俺がグローブであることが、恩田心にバレたことを。

俺は恐る恐る尋ねた。

「何が望みなの?フラれた腹いせにゆするつもり?」

恩田心は答えた。

「そんなんじゃないわよ!ただあなたにお礼がしたいだけ。アタシや彼女を助けてくれたんでしょ。」

恩田心にゆする意思がないとわかり、俺は一安心した。

ちなみにスネークドールにされていたのは恩田心の友達だという。

そういえば学校で見たことがある気がする。

恩田心の口の堅さは信用出来るので、彼女は放っておくことにしよう。

翌日、俺と優馬クンが他愛ない話をしていると、恩田心が割り込んできた。

「そういえば快里クンと優馬クンて仲良いよね。」

なるほど、恩田心にとって俺と優馬クンの関係は不思議ってことか。

まあ俺も自分で不思議な感じだけど。

「まあ俺と快里クンはソウルフレンドだからね。」

優馬クン、気持ちは嬉しいがセリフがクサすぎる。

なんてやり取りの後、俺は普通に授業を受け、普通に帰宅した。

今日の平和がずっと続くとよいのだけど…。

俺--騎馬スレイプニル--は、蛇騎バジリスクの作戦を見届けていた。

バジリスクは強い怒りとか憎しみを利用するのが常套手段である。

今回はとある中学校教師をドール怪人にした。

鶴騎フレスベルグよりマシなものだけど、なんだか危ない気がする。

もっとも今回の中学校教師の怒りの内容は、生徒の授業態度がよくないというものだから心配ないだろうが。

大体、授業態度がよくないのは授業がつまらないと同じ意味だろうから、怒る前にやることがあるだろう。

まあとにかく、適当に暴れて感情エネルギーを増幅させてくれ。

後は何も望まないよ…。

俺--世良快里--の前には、カクタスドールがいた。

俺はグローブに変身し、フレイムとアクアの力を使い分けて翻弄し、最後はフレイムの力で倒した。

ドール怪人にされていたのは学校の社会科教師であった。

そういえばこの人の授業はほとんどの生徒が真面目に聞いてない(まあ俺は例外だけど)。

ここへ来て俺はピンと来た。

ドール怪人にされた人は皆、何かしら悩みを抱えた人と気づいたのだ…。

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