[連載小説]創ろう、ギルティア王国!

俺はごく普通の中学生。

学業成績は割と上位で、周囲には「頭のいい奴」と認識されている。

容姿は普通、イケメンでもブサイクでもない。

運動神経は普通、ただし球技は全く出来ない。

それでも体を動かしたいからと、陸上部に所属しており、走り高跳びをやっている。

自慢するわけではないが、俺にはガールフレンドがいる。

吹奏楽部に所属の、下手なタレントよりかわいい娘だ。

突然だが、俺は化け物になった。

交通事故に遭い、死んだと思った次の瞬間には、化け物になった。

といっても容姿が変わったわけではなく、いわば超能力を身に付けたようなものだ。

いかなる力であるかは、上手く説明出来ないのでご想像にお任せする。

俺は化け物になったことをガールフレンドに隠していたが、ある日そのガールフレンドも化け物になった。

俺もガールフレンドも望んで化け物になったわけではないが、皮肉にもそのことが元で二人の距離は縮まった気がする。

俺はふと、ガールフレンドに化け物になったきっかけを尋ねてみた。

ガールフレンドは瞳に涙を浮かべながら、自らの身に起きたことをありのままに話した。

ガールフレンドは二人組の男に乱暴された挙げ句、首を絞められ殺されかかった。

死にたくないと望んだとき、化け物になり、その力で二人組を手にかけてしまったという。

ガールフレンドに残ったのは、未知なる力への恐怖と、自らの手を汚してしまったことへの後悔だ。

話を聞いた俺は激しい怒りを覚えた。

二人組の男に、というよりはガールフレンドを傷つけた男共の愚かな欲望に対して、である。

そして俺は気づいた。

人間なんて愚かな欲望の塊だという真実に。

俺は化け物の力を、愚かな人間を完璧に管理することに使おうと決意した。

そのためには、俺の理想郷たる新世界を創る必要があると思い至った。

俺はどんな罪を背負おうと新世界を創るという覚悟から、罪=ギルティにちなみ、

新世界を「ギルティア王国」と名付けた。

俺の覇道は、今始まった。

なんて内容の小説を考えたことを友人に話したら、

「中二病をこじらせたイタイ奴だ。」と、鼻で笑われた。

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