[連載小説]ギルティア王国大戦記 第23話

異世界東部・フォレスティア国

クライ進化態が攻めてきた。

ロートとワイスの二人がかりでも苦戦していたとき、メザイアが助けに入った。

クライがメザイアにかなわず一時撤退したことで、メザイアは優駿たちと話す機会を得た。

メザイアは訴えた。

「チーム・ロートの皆さま、ギルティアを止めてください。」

アイリスや貴斗たちはメザイアの真意がわからなかった。

しかし優駿は事情を悟った。

「ギルティアが言ってました。大切な人を傷つけられたから、理不尽な暴力を否定するために王国を築いたって。大切な人ってメザイアのことなのでしょ?」

メザイアは黙ってうなずいた。

そして、胸の内を打ち明けた。

「私はギルティアが罪を重ねるのをずっと見てるしか出来なかった。今こそ止めるチャンスなのです。」

メザイアを信じるか否か、チーム・ロート内でも分かれた。

優駿とアイリスのみが信じる派、貴斗やシロガネやヘラクレスたち他のメンバーは信じない派であった。

しかしクライを倒さなければいけないことに変わりはなかったので、メザイアと協力することにした。

優駿はアイリスに、なぜメザイアを信じる気持ちになったかを尋ねた。

アイリスは答えた。

「詳しいことはちんぷんかんぷんだけど、メザイアがギルティアを好きってことだけはわかるから。」

アイリスは、どこかメザイアと自分を重ねているようだった。

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