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泣かせて【swords 3】

みなさん、こんばんは。
今宵はどんなお話をいたしましょうか?

【50代女性 独身バツイチ 病歴あり】

長く相談者の方と共に生きていると
人生の節目に立ち会うことが多々あります。

ある時、珍しくMahouの受付電話の着信がありました。
(基本的に予約当日の緊急時しか電話は出ません)

予約時に教えていただいた携帯電話番号は、
受付専用スマホに登録しておりますので
どなたかから着信があったか?が、わかるようになっています。

長いお付き合いで、Mahouのルールもご存知だと、双方認識があるからこそ
この着信は『緊急性がある』と判断をして、電話に出ました。

「あぁ、マホさん、すみません、電話しちゃって」
そう、彼女は言いました。

『どうしたの?何かあったの?』とMahou。

「実は、、、」といって彼女が話し始めた内容は、、、

彼女は数年前に、子宮摘出手術をしました。
当時の定期検診で、子宮がんが見つかりました。
すでにお子さんを出産済みであることと、離婚をして再婚予定もないことから
摘出を決意。
手術を行いました、が、術後の経過が思わしくありませんでした。

その間に鑑定もして、励まし合っていました。
しかし、今回「再発の可能性あり」という検診結果が出たとのこと。

彼女は泣き出しました。
「怖いんです。」

そう、知識としては「生死が関わるほどの内容ではない」ことは
理解しているのですが、感情的に「恐怖」が彼女を包み込んでいました。

【swords3 心がちぎれそう】

離婚をして、子供たちが巣立った今、彼女は泣ける場所がなかったのです。
一人で泣くのと、誰かのそばで泣けるのは、全く違います。

電話ではありましたが、ひとしきり彼女が泣きました。

Mahouも経験があります。
子宮頸がん手術後の定期検査で「再発疑惑」を告げられた時
病院から青山のオフィスまで歩いて戻って来た記憶が全くありません。

「手術をして、やっと安心した日々が送れると思ったのに
また死の恐怖と闘うのか?もう闘えない。。。」
(まぁ、死ぬような内容ではなかったんですけど、当時は知識がなさすぎて
死んじゃうのかと思ったんです)

事実とすれば、一度子宮系のがんに関する手術をした場合
検査のたびに「ほぼ毎回」『要再検査』が出るのです。

その要再検査が「再発の可能性」と
実際にお医者様や医療従事者の方が口に出したのか?
本人の脳の中で言葉が変換されてしまったのか?はわかりませんが

Mahouは検査場所を変えて、とても親身になってくれる女医さんが
(この方も子宮がん経験者)
前記の「一度でも手術を受けた方は、どうしても再検査の時に引っかかってしまう」だから「再検査と診断が出てしまうのは普通のこと」と言う事実を、
冷静に丁寧に伝えてくれたので

『そう言うものなんだ』と安心をし、
同時に今までの説明不足(と思ってしまっただけかもしれないけど)の
他の病院体制に怒りを感じたことがあります。

泣いている相談者の方には、もちろんこの話をします。
でも、それよりも彼女にとって今回迫って来たのは
「泣ける場所がない」と言う事実でした。

ひとしきり泣いて、少し落ち着いた頃
彼女は、感謝の言葉を口にして、電話を切りました。

夫がいても、家族がいても
泣けない方は多くいると思います。

自分が泣ける場所を作っておくのは、大切なことだと思います。

Mahouも定期的に意図的に泣く場面を作るようにしています。
映画を見たり、悲しい物語を読んだり。

人間は薄情なものなので(Mahouだけかもしれませんが)
自分よりもこんなに大変な人がいるんだ、と思うと
自分だけじゃないんだ、と少しホッとして
なんとか明日を迎えられるんです。

あなたにはありますか?泣ける場所。
生きていくために必要な場所です。

タロットMahou


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