メリークリスマス【泣けるシリーズ】
みなさん、こんばんは。
今宵はどんなお話をいたしましょうか？
クリスマスの涙と言ったらやはりこれ
名作『フランダースの犬』です。あらすじ覚えていますか？
多分ほとんどの人が、主人公のネロが不遇で、
最後クリスマスイブに、教会のルーベンスの絵の前で死んでしまうという、
幼心にトラウマ級の涙を誘うお話です。
Mahouも上記あらすじしか覚えておりません。
でもね、大人になったからこそ、理解できることがあります。
クリスマス・イブの日、ネロは公会堂の広間で発表を待つ。
だが一等を取ったのは、別の少年だった。
ネロは絶望し、とぼとぼと家路をたどる。
このとき事態を急展開させる出来事が起こる。
パトラッシュが、雪に埋もれた袋を見つけたのだ。
入っていたのは、コゼツ旦那が落とした2千フラン。
ネロは袋をアロアの家に届ける。
コゼツ旦那は不在だったが、アロアとお母さんは大感謝。
食事を勧めるが、ネロは断って、激しい吹雪のなかへ出ていってしまう。
そして悲劇のエンディングへ。
ところが実は、このときネロには幸せが次々に訪れ始めていた。
1）コゼツ旦那は、ネロが金を届けたことを知って、これまでの仕打ちを深く反省する。アロアとの交際も認め、「わしはあの子に償いをしなければならん」と泣く。
2）風車の職人がやってきて、風車小屋に放火したのはネロではないと保証する。
3）ヌレットおばさんらが、ネロとクリスマスを過ごそうとやってくる。
4）画家のヘンドリックレイが来て「私はネロという少年に、大画家ルーベンスの後継ぎになり得る、恐るべき素質を見出しているのです」と絶賛。
「彼を引き取って、できる限り絵の才能を伸ばしてやりたい」と決意を語る。
5）コゼツ旦那も「ネロが戻ってきたらわしのうちに迎えて、アロアと同じようにどんな勉強でもさせてやるつもりだ」と決意を語る。
柳田理科雄空想科学研究所主任研究員様より
でも、この時ネロは、自分の降りかかってくる幸せを何一つ知らぬまま、
最後に神様に願うのです。
アントワープの教会に入ると、ルーベンスの2枚の絵を目に焼きつけ、
「これだけで僕は、もう何もいりません」
そう言って、かの有名なセリフを言うのです。
パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ……。
なんだか、とても眠いんだ……」
不幸極まりないラストシーン。
でもね、これを読んで泣いてしまっているあなたも、ネロかも知れない。
もしあと1時間、タイミングがずれたら
ネロは、大好きなアロアやネロットおばさんと、温かいご飯と部屋でクリスマスを楽しめたでしょう。
思う存分絵の勉強をして、放火の容疑も晴れて、ずっとその村で幸せに暮らせていたでしょう。
今のあなたは、その先の幸せを知らないネロと同じ。
何も疲れた心と身体をさらに酷使して、冷たい世間の中を歩く必要はないのですよ。
温かい部屋にいますか？
温かい食事を摂りましょう。
寒く感じなくても部屋の温度は20度くらいまでにしましょう。
食欲はなくても、お湯を沸かしましょう。
ちょっと塩分を取ろうね、塩をひとつまみ。
冷蔵庫に干からびたお野菜ない？カピカピになったご飯ない？
入れちゃいましょう。
卵があったら、ポトンと落として。
きっとそれが『世界一美味しいスープ』の原型です。
こんなに悲しいクリスマスでも、何故だか明日はやってきます。
昨日まで浮かれポンチなリア充な奴らも
何食わぬ顔で、年末進行締め切り前の仕事の顔してやってきます。
そして、死んでしまいたいと思っていた自分も、機械的に身体がお化粧をして
「おはようございます♡」なんてワントーン高い声と笑顔で演技力高く過ごしていきます。
人生って摩訶不思議。
何が正しくて？何が幸せで？何が人生の意味なんだか、ちっともわからない。
それでも生き続けなきゃいけない。
でも、とりあえず、自分のお布団で横になると、いつの間にか眠ってしまう。
そしてまた朝がくる。。。
あなたは餓死や凍死をしたネロじゃない。
もしも1時間時間がずれていたら、幸せになれたネロがいる。
あなたはこっちのネロ。幸せになれる保証がついたネロ。
幸せになったネロは、きっと今まで通り生真面目に仕事をしながら
絵を描いたでしょう。あなたもそうであるように。
アロアと結婚したかも知れないけれど、案外別れたかも知れない（笑）
パトラッシュはどうしても先に虹の橋を渡るでしょう。
でもきっとネロは、絵を描くことはやめなかったのではないか？と期待します。
それが彼の『本質的な幸せ』ならば。
あなたの本質的な幸せは、クリスマスパーティーを楽しむことではないでしょう。
恋焦がれた人と一緒に過ごすことは、一時的な夢。
『夢』と『本質的な幸せ』は、同じとは限りません。
夢の魔法はいつか解けます。
恋よりも『愛』を探す旅を始めましょうね。
メリークリスマス！
タロットMahou
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